2012 Fiscal Year Research-status Report
日本製娯楽ソフトのポスト違法ダウンロードに関する消費行動パターンとプロセスの研究
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23530561
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
原田 優也 沖縄国際大学, 産業情報学部, 教授 (90352476)
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Keywords | シェアリング行動 / ポスト違法ダウンロード / 私的空間利用行動 / デジタル海賊版 / コンテンツビジネス |
Research Abstract |
本年度は2年目にあたり、昨年度のように、文献調査および現地調査を行い、集中的にすすめるともに、研究成果の一部を発表した。発表テーマは「娯楽コンテンツとシェアリングの理論構築」と「ポスト・違法ダウンロード行動の実証研究」である。筆者は研究成果の一部を2013年3月に産業総合研究所、Journal of Industry and Information Scienceなどにて報告した。 ①「A Conceptual Model Building of Knowledge Sharing Behavior of Entertainment Software in the Private Space、Journal of Industry and Information Science, Vol.9 No.1&2, pp.51-59」 ②「Post-illegal Downloading Behavior of Asian Consumers towards Japanese Entertainment Software: A Case Study of Thai Internet Users in Bangkok」『産業総合研究』、第21号, pp.17-22である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はアジア都市ネット・ユーザーを対象に、日本娯楽ソフトのポスト違法ダウンロード行動(Post-illegal downloading)を概念的実証的に研究する。日本製娯楽ソフトが流行するアジア諸国で調査を実施するため、具体的には、次に示す4つの課題を設定し、分析を進め、日本製娯楽ソフトのポスト違法ダウンロード行動に関する包括的な解明を図ることとしたい。(1)インターネット普及率と利用率が高いアジア都市の違法ダウンロード者を対象に、不正利用行動の動機を探り、意思決定要因を整理し、エンドユーザーの特性別に分析すること。(2)ポスト違法ダウンロード行動の総合的なプロセスとメカニズムを説明する概念モデルを構築すること。(3)アジア大都市で違法ダウンロードを経験した者を対象に定量的定性的調査を実施し、日本製娯楽ソフトのポスト違法ダウンロード行動に関する構造方程式モデルの実証研究を進める。エンドユーザーの特性別の国際比較分析により共通点・相違点を探り、基盤モデルの構築を目指すこと。(4)日本製娯楽ソフト種類別(J-POP、アニメなど)により、ポスト違法ダウンロード行動パターンの特徴と変化を比較分析し、各業界の国際マーケティング戦略や海外市場におけるコンテンツ適正利用促進策に関する示唆をまとめること。 本年度は2年目であり、課題(3)と課題(4)に取り組んだ。ポスト違法ダウンロード行動の概念モデルに対する検証作業を進めた。日本娯楽ソフトを違法ダウンロードしたタイ消費者を対象にインタビューし、モデルのパイロット・スタディを行った。この研究結果が、研究実績の②である。H25年度は、構築したモデルの検証作業を他のアジア消費者に対象を広げ実証的研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画・方法: 1)現地調査を行い、得た情報を分析し、関連学会などにて研究成果を報告する。 2)中範囲の理論の確立:国際比較分析により、コンテンツのポスト違法ダウンロード行動メカニズムに関する共通点・相違点を探り、モデルの修正を重ねる。最終的に、モデルの一般化抽象化を目指す。 3)投稿論文を最終的に完成させ、研究成果を関連国内外誌で公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度研究実施計画を達成するため、研究費の使用計画は下記のとおりである。 1)資料費:図書およびデータベースの購入 2)アンケート集計などにかかる経費 3)旅費:違法ダウンロードした日本娯楽ソフトの消費パターンとプロセスの概念的実証的分析を行うため、海外調査を予定している。そのための関連経費が必要である。 4)消耗品:アンケートデータの情報処理のため、関連消耗品が必要である。(例、パソコン関連消耗品、アンケート用紙・印刷・データ処理、保存の関連経費など) 5)設備備品費(研究活動・調査などが必要な備品の購入)
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Research Products
(2 results)