2011 Fiscal Year Research-status Report
連単分離下での原則主義のＩＦＲＳへのコンバージェンスの数理モデル分析
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23530574
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
加井 久雄 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (10303108)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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| Keywords | 原則主義 / 連結先行 / 連単分離 / 連単一致 / コンバージェンス / IFRS / 制度の補完性 / 規則主義 |
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| Research Abstract |
本研究は，財務報告基準の国際的統合化（コンバージェンス）において，規則主義から原則主義による財務報告制度に移行することの妥当性を数理モデル分析によって検証することを目的としている。 本研究の申請時，我が国（金融庁・企業会計審議会）としては，コンバージェンスを行なう方向であり，いわゆる「連結先行」の考え方が主流であった。しかし，申請後，状況に変化が見られ，コンバージェンスそのものを含め，全面的な見直しを求める声が高まり，最終的な着地点として「連単分離」と「連単一致」のどちらが望ましいのかが重要な論点として浮上した。そこで，平成23年度の研究実施計画を変更し，「連単分離」と「連単一致」に関する文献調査を行なうことを通じて，議論の整理を行なった。これは，平成24年度の研究実施計画の一部を先取りするものであり，その成果をワーキング・ペーパー（新潟大学経済学部，2011年12月，No.149）にまとめた。文献調査を通じて，産業や企業の特性によって「連単分離」と「連単一致」のいずれが望ましいのかは異なることなどが判明した。なお，長期的な方針として「連単一致」を採用したとしても，短期的には，「連単分離」の状況が生じるというのが共通認識である。 国際会計研究において，諸制度間の補完性の視点が重視されるようになってきている。原則主義の財務報告基準に移行したとしても，その効果は関係する諸制度（会社法，金融商品取引法，司法制度など）に依存することから，国際会計研究における「諸制度間の補完性」に着目した研究状況を確認する必要がある。その調査結果の一部が，「制度の補完性から見た会計制度研究：国際会計研究からの示唆」（『産業経理』72巻第1号，2012年4月末発行予定）である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請後に，我が国の財務報告基準のコンバージェンスに関する状況に大きな変化があった。とりわけ，コンバージェンスの最終的な着地点として「連単分離」と「連単一致」のいずれが望ましいのかが，改めて問われるようになった。また，「連単分離」の用語法そのものに混乱が見られた。「連単分離」などの概念整理は平成24年度に実施する予定であったが，適切なモデルを開発するためには，新たに生じた状況を理解し，「連単分離」と「連単一致」を巡る論点を整理することが先決であると判断し，予定を変更して平成23年度に「連単分離」に関する文献調査を行なった。そのため，平成23年度の研究実施計画と比較して遅れが生じたものの，予定していた「原則主義と規則主義の概念の整理と概念の定式化」や「投資家の意思決定支援機能と経営者の会計責任解明支援機能の定式化」について，概念整理のための文献調査は終えており，定式化のいくつかのアイディアを試している段階まで到達している。
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| Strategy for Future Research Activity |
申請後に生じた我が国の財務報告基準のコンバージェンスに関する状況の変化に応じて，研究実施計画の一部を変更したことと，産業経理協会から『産業経理』誌への論文執筆依頼があり，研究成果を『産業経理』に発表することにしたことから，英語での論文執筆及び投稿を平成23年度には行わなかった。そのため，英文校正や投稿料として計画していた「人件費・謝金」と「その他」を執行しなかった。しかし，平成23年度の分を含めて平成24年度に英語論文を作成し投稿する予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究会や学会で，研究成果を発表し，国際的な学術雑誌への投稿を行なう。そのために英文校正や投稿料などを必要とする。
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Research Products
(2 results)
