2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530584
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野口 昌良 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (70237832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 準一 国士舘大学, 経営学部, 教授 (90062869) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 炭鉱業 / 利益管理 / 旧財閥系企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、九州大学・慶応大学等の各図書館・センター所蔵の炭鉱関係資料を利用し、エネルギー供給源であった日本の主要炭鉱会社を重点的に選別し、各社の利益管理ツールならびに各種報告制度に関する情報を抽出し、データベース分析を行うことによって、戦前・戦後を通じた日本の基幹産業における会計実務というコンテクストから、日本の会計制度の歴史的展開に関する議論に一定の貢献をなすことを目的としている。 当初は、平成26年3月末までに、全体の研究を完了させる予定でいたが、とりまとめの途中で三菱鉱業に関する追加的資料が入手できたため、研究期間を延長して、同社の会計実務に関する追加的な分析を行った。 分析の結果、(1)日本国内の炭鉱業は、他の一般企業の会計実務を凌駕する、先進的な会計管理ツールと精緻な報告・管理制度を、初期段階から導入・確立することに成功しており、その意味で、もっとも経営的視点を重視した組織体であったということ、および(2)こうした会社の会計的先進性が、他方で、明治以降、官営鉱山・炭鉱の払下げと主要鉱区・炭田の買収を通じて、拡張と多角化を続けた旧財閥系企業の鉱業部門の経済的特性に強い影響を受けていたということが明らかにされた。
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Remarks |
上記Discussion Paperを改訂し、平成26年中に、会計史研究に関する国際ジャーナルに投稿した。現在、一次審査を通過して、二次審査に向けて再改訂中の状況にある。
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Research Products
(1 results)