2013 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける越境的なリージョナル放送空間の基盤構築のための実践研究
Project/Area Number |
23530638
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
玄 武岩 北海道大学, 大学院メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (80376607)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 浩平 北海道大学, 大学院メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (50333638)
金 ソンミン 北海道大学, 大学院メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (60600426)
北見 幸一 北海道大学, その他の研究科, 准教授 (90455626)
崔 銀姫 佛教大学, 社会学部, 准教授 (30364277)
鈴木 弘貴 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (40337639)
|
Keywords | 東アジア / リージョナル放送 / メディア文化 / ナショナリズム / 越境 |
Research Abstract |
平成25年度に、領土問題をめぐる緊急シンポジウムに切り替えることで延期した国際シンポジウム「越境するメディアと東アジア」を平成26年11月2日に北海道大学にて開催した。 第1部「日韓におけるメディアフローとダイナミズム」では、北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院東アジアメディア研究センターによる同大学院2013年度前期特別演習「東アジアにおけるメディア文化フローの調査研究プロジェクト」の研究成果が発表された。第2部「東アジアの越境的リージョナル放送に向けて」では、メインの研究対象の一つである〈日韓中テレビ制作者フォーラム〉に関するものであり、そのために引き続き中国・無錫で開催された第13回大会に参加してアンケート調査およびインタビュー調査を実施した。 同シンポジウムでは、日本・韓国・中国がナショナリズムを乗り越えて、地域の安定と相互信頼を醸成することで共通のアイデンティティを育むリージョナル放送空間の構築を将来的課題とし、自国中心の国益や歴史感情に左右されない放送とは如何なるものであり、そうした放送媒体の設立には何が必要なのかについて議論した。東アジアにおけるリージョナル放送めざす学術的研究の動きは、メディア・ジャーナリズム研究においても、国際政治学の東アジア共同体論においても皆無に等しい。同シンポジウムは本科研プロジェクトの総括であり、本格的な東アジアリージョナル放送の実現に向けた第一歩といえる。 一方、日中韓の社会性のある映像作品を、監督を招待して上映会を実施する「東アジアメディア文化交流プロジェクト」を引き続き行った。上映作品は『二つの扉』(2012、韓国)、『亡命』(2010、中国)、『チスル』(2012、韓国)の3作品である。 年度末には同シンポジウムの報告およびこれまで発表した論文を収録して、本科研プロジェクトの報告書を発行した。
|