2014 Fiscal Year Research-status Report
人間と動物の関係についての一考察―ペットブームとグルメブームの矛盾を手がかりに
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23530648
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
河島 基弘 群馬大学, 社会情報学部, 准教授 (80454750)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 人間と動物の関係 / 動物権 / 動物の福祉 / 食文化 / ペットブーム / グルメブーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本における人間と動物の関係の現状を(1)宗教の影響や民俗史などの歴史的視点、(2)社会の個人化傾向やペットブームなどの現代社会論的視点、(3)諸外国との比較という比較文化論的視点の3つの観点から考察することにある。特にペットブームとグルメブームの矛盾に焦点を当てることによって、人間と動物の関係の一断面をあぶり出すことを大きな狙いとしている。 (1)の歴史的視点、(2)の現代社会論的視点、(3)の比較文化論的視点のそれぞれに関して、研究初年度となる23年度以来、内外の文献を広範に読み込むとともに、インターネットで関連文献・関連団体について調べたり、国内の動物保護団体や関係者に直接取材するなどして、データを収集・蓄積してきた。 文献の読み込みを進める中で、人間と動物の関係を哲学的深みをもって論じるには、アリストテレスからカント、デカルト、近年では『正義論』で有名なロールズ、現代の代表的な功利主義者であるピーター・シンガー、権利論のトム・リーガンなどの哲学者・倫理学者の文献に当たることを痛感し、こうした分野にまで研究対象を広げてきた。 以上のような文献に当たることと平行して、26年度の後半から、Lori Gruen著の『 Ethics and Animals』(Cambridge University Press)(2011)の翻訳に取り組んでいる。同書は、私の研究テーマや論点と重なるものが多く、翻訳が必要と判断したものである。既に翻訳権を獲得済みであり、27年度10月を目途に、大月書店から『動物倫理入門』として単独翻訳の形で出版予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
内外の文献の読み込み、インターネットによるデータの収集などは進んだが、26年度の途中から、動物倫理についての英語文献の翻訳を始めることになったため、調査研究に遅れが生じることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
『動物倫理入門』(仮題)の翻訳を完成させて、10月を目途に出版する予定である。また、夏休みや春休みを利用して、海外調査に出掛けることを計画している。
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Causes of Carryover |
文献の読み込みと関連英文書籍の翻訳に時間を取られ、海外調査に出掛けることができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翻訳本の出版費用の一部に充当するとともに、イギリスなどへの海外調査に使用したい。
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