2011 Fiscal Year Research-status Report
朝鮮学校における「民族」の形成・継承・変容のメカニズム
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23530672
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
山本 かほり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (30295571)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 民族教育 / 在日朝鮮人 / 朝鮮総連 / 朝鮮学校 |
Research Abstract |
本年度は朝鮮高校とのラポール形成に力を注いだ。4月から8月までは,朝鮮高校の校長,教頭と協議を重ね,調査を実施する方法を模索,その関係の形成に努力をかさねた。結果として,9月から原則週一回の定期的な参与観察の実施が可能になった。毎週,愛知朝鮮高校に行き,授業,行事,その他の生徒会活動,生徒主体の行事などの参与観察を行った。朝鮮高校の生徒,授業の様子,内容などの把握,教員とのラポール形成が可能になり,24年度からの本格調査の準備ができたと思う。さらに,東京,大阪,福岡の朝鮮高校にも調査にでかけ,他地域の朝鮮高校の実態についてもインタビュー調査を行った。また,高校までの民族教育の過程を知るために,小学校,中学校の授業にも参加させていただき,民族教育に対する理解を深めた。 さらに,朝鮮高校の生徒,保護者,卒業生,教員に対するインタビューも行い,現在,そのデータを文字化する作業を行っている。9割方,完成した。朝鮮学校が在日朝鮮人社会にとって持つ意味,民族教育の意義の変遷,朝鮮学校に子どもを送る親の意識,そこで教える教師たちの意識に関して,概ね把握はできたと思っている。 また,24年度は朝鮮高校の3年生の修学旅行(朝鮮民主主義人民共和国)に同行する可能性もさぐり続け,10月には科研費は使用しなかったが,訪朝し,相手の関係機関との調整を行った。中国の朝鮮族集住地域も訪問,朝鮮族学校も訪問,中国における民族教育,朝鮮族コミュニティのありかたなども調査し,日本における朝鮮学校のポジションを相対化する視点も得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り,最初の関門であるラポール形成はクリア,参与観察ができる条件が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)朝鮮学校の幼稚部,初等部,中等部まで含めた授業の参与観察,行事などの参加(2)全国の朝鮮高校の訪問,調査(3)6月の朝鮮高校3年生の修学旅行への参与観察(4)朝鮮学校関係者へのインタビュー調査の継続実施。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)参与観察謝金(2)朝鮮民主主義人民共和国への訪問(3)インタビューデータ文字化作業謝金(4)国内朝鮮高校訪問の旅費
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Research Products
(1 results)