2012 Fiscal Year Research-status Report
障害者雇用を可能とする農的福祉コミュニティに関する研究
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23530677
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
杉岡 直人 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (10113573)
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Keywords | ソーシャルファーム |
Research Abstract |
障害者就労の機会を地域社会でどのように受け止めることが可能なのかをコミュニティレストランの事例調査(北海道登別市)と農業部門に取り組む事業所の聞き取り調査(鳥取県)をおこない、農業生産活動のつながりが広く定着していることを把握できた。 同時に全国200カ所の農業生産活動を取り入れた就労支援事業所を社会福祉法人、NPOおよび有限会社をふくめて多様な法人形態における生産活動の取り組みを郵送アンケート調査を2013年2月に実施し114団体から回答をえて集計分析をおこなった。分析は法人の形態別および事業開始年度の区分別、そして障害の内容別におこなった。全体としては知的障がいの就労支援の事業を取り組んでいるものが多く、独立して分析する必要があるといえる。 また事業を実際に運営している実践から課題を抽出するためにワークショップを実施(2013年3月)し、全国各地の事例を把握して研究成果をレポートしている農協共済総合研究所 調査研究部 主任研究員A氏の報告を受けて、NPO法人フレンズ関係者のレポート、社会福祉法人黒松内つくし園倶知安地区担当者の報告、共同事業所運動を展開して全国的に知られているわっぱの会(愛知県)関係者、さらに障害者就労と農齢者就労を農業に関わらせて統合的に展開を予定しているNPO法人ゆうゆうの関係者の報告をもとに、「農業と障がい者就労の企業的連携を考える」課題を協議し、コメンテータにNPO法人ライフの専務理事石澤利巳氏および農業生産法人ふるさとファーム代表の三原孝義氏の参加をえてこれからの課題を協議することができた。 これらの調査活動を通じて障害者就労における農業分野の位置づけとさらにはこれを福祉コミュニティとして位置づける上での方法的な整理を検討することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)農業分野の事業活動を取り入れている団体の全国動向の把握と郵送調査の実施ができたこと 2)関連事業の先駆的な取り組みをしているリーダーに協力をえてワークショップを開催し実践的理論的な課題の整理につなげることができたこと 3)郵送調査の際に補足調査の受け入れ可能な事業所の了解をえることができたところが40カ所以上えられたことで、焦点をしぼって聞き取りする際の見通しがえられたこと 等が到達度の確保につながっているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
障害者就労に関しては、国際的な動向のなかでソーシャルファームに関する取り組みと日本における導入を図る動きが出ていることから、先駆的な事業を手がけているメンバーからの情報収集および郵送調査および事例調査における追加の聞き取り調査を受け入れ可能と回答頂いた事業所が40以上あることから、補足調査を実施し、さらなる実践的な可能性を探るためのワークショップを開催、および研究成果の報告をまとめる過程での関係分野の研究者との研究交流を図り、国際的な取り組みにつながる研究成果をまとめることになる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
郵送調査および事例調査における追加の聞き取り調査を受け入れ可能と回答頂いた事業所が40以上あることから、 1)補足調査を実施するための旅費、 2)課題の整理をおこなうためのワークショップを開催するための謝金・旅費と 3)研究成果の報告資料をまとめる作業に関する人件費 等を予定している。
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Research Products
(3 results)