2013 Fiscal Year Annual Research Report
障害者雇用を可能とする農的福祉コミュニティに関する研究
Project/Area Number |
23530677
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
杉岡 直人 北星学園大学, 社会福祉学部, 教授 (10113573)
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Keywords | 農的福祉コミュニティ / 障害者雇用 / 農業生産活動 |
Research Abstract |
本研究では、創造的な営みと多様な関わり方が可能である農業の特徴を生かした事業運営を基礎とし、障害者の就労機会を確保することを通じて新たな可能性を明らかにするために、食の安全と安心を支える仕組みのなかにオルタナティブな障害者の雇用機会を組み込むことで、新しい社会価値としての共生型の農的福祉コミュニティの形成を担う実践事例を取り上げ、その発展性を引き出すことを郵送調査と全国各地の実践事例の調査活動から明らかにした。 方法として、事業所に対する郵送調査と訪問面接調査を併用した。まず、農業生産活動に関わる事業所に対する郵送アンケート調査をおこない、111事業所の取り組みに関して就労継続支援B型51、就労移行支援17、就労継続支援A型16、その他の複合型23について①賃金内容の問題と加工部門の取り組みから指摘される研修ニーズや農業分野の事業活用支援の課題、②生産物の販売施設や経営マネジメントあるいは付加価値をつける必要性、③農業の季節的制約にともなう冬期間の就労を可能にする工夫、④地域の高齢者との連携を図る共生社会志向が見いだされた。 さらにアンケート結果をもとにした報告をおこない課題の提起をめぐってワークショップを開催し、NPO法人、社会福祉法人の代表者からの具体的、組織的な課題のレポートをもとめ討論を行う形での実践的な検討をおこなった。あわせて鹿児島、鳥取、福島、青森、北海道の事例調査に関して日本社会福祉学会研究倫理指針にもとづき、聞き取り調査を実施し高齢者雇用との関連を含めた農的福祉コミュニティの構築について考察をおこなった。 これらの調査結果の一部については、日本地域福祉学会、日本村落研究学会、北海道地域福祉学会で報告および論文としてとりまとめており、課題の重要性については実践的な取り組みをおこなっている関係者からの肯定的な評価を受けることができた。
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Research Products
(5 results)