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2012 Fiscal Year Research-status Report

ケア包摂型コミュニティとボランタリーアソシエーションの構造相関性に関する臨床研究

Research Project

Project/Area Number 23530709
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

津止 正敏  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70340479)

Keywordsケア包摂型コミュニティ / 男性介護者 / ワークライフバランス / 介護者運動 / 介護保険
Research Abstract

本研究は、男性介護者と支援者の全国ネットワーク(以下、「男性介護ネット」)及び同ネット参加団体を主要なカウンターパートとして設定している。実践に寄り添い実践に寄与することを念頭に置き下記の内容と方法によって調査研究を進めてきた。
その内容は、①男性介護者の介護実態を明らかにし、②特に家族介護者の社会参加の実態とそれを阻害する諸要因の解明を行うこと。③そして「ケア包摂型コミュニティ」の開発における介護者組織及び支援者組織(ボランタリーアソシエーション)の課題を把握すること。④さらに介護保険など介護支援制度の現状と課題を、男性介護者という利用者視点から把握した。⑤その際、介護者の就労支援型介護サービスの開発課題など介護と仕事の両立(ワークライフバランス)に関する支援策の現状と課題を介護者視点から把握した。
その方法は、①男性介護者の会や集いなど当事者や支援者が取組む活動や組織についての参与観察を継続して行った(平成24年4月~平成25年3月)。②男性介護ネットの主宰する介護体験記発行事業(『男性介護者100万人へのメッセージ(第1~4集)』)の分析(平成24年4月~平成25年3月)。③さらに本研究と関連して、独立行政法人労働政策研究・研究機構の研究プロジェクト「育児・介護と男女の働き方に関する研究会」に参加し介護と仕事の両立に関する研究にも取り組んだ(平成24年4月~平成25年3月)。
研究のアウトプットも既刊、予定含めて進んでおり、ケア包摂型コミュニティの開発と介護者や支援者の組織(ボランタリーアソシエーション)の相互関連性に一定の結論を提示することが出来ている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の主要なカウンターパートである男性介護ネットに参画している、また同ネットが把握している介護者組織がここ数年で飛躍的に増加している。この介護者組織との連携交流が本研究環境の基盤としてあることが研究進捗に好循環を成している。この間の研究成果として『ケアメンを生きる‐男性介護者へ贈る言葉‐』『「介護退職ゼロ作戦」という社会運動』を発行したが、いずれも男性介護ネットを通しておよそ1000部が普及されている。ケア包摂型コミュニティの開発における介護者組織や支援者組織の活性化に寄与する活動プログラムの開発も、自らの介護体験を「書く/読む」「語る/聴く」プログラムとして普及している。
ケア包摂型コミュニティに係る介護者祖域や支援者組織の意義について多くの事業参加者や運営者が指摘するのは、同じような立場の人との共感や思いやり、気遣いは、彼らが介護によって失った既存の社会との関係を、介護という場を通して修復する場、社会との接点を修復しさらに太くしていくような場、空間、関係である、ということであった。すなわち、上記のような組織や集い参加者やその運営者が発する個別の生の声は、より一般化を試みれば以下のようにも言い換えることが出来るのではないかということだ。
①介護の相互作用が働く場(各自の介護体験の相対化、共感、他者への気遣い、孤立感からの解放、脱「絶対」、他者理解と自己肯定)、②介護のロール・チェンジが働く場(教える/教わる、介護する/される、役割固定化からの解放)、③介護の新しい「知」の発見・創造がなされる場(経験を「経験知」として、社会の共有財産としていく取り組み。当事者と援助職の「知」の融合、支援プログラムの開発)、④介護者運動の契機となる場(異議申し立て、政策化、運動主体としての介護者)。ひとまずのまとめとしている。

Strategy for Future Research Activity

今年度の研究課題として以下の通理計画している。
全国の男性介護者関係組織に対するアンケート及びインタビュー調査、参与観察に取り組む。
男性介護者組織は、研究代表者が把握しているだけでも全国に50箇所を超えており、この団体を焦点化して、以下の項目を設定して調査を行う。1.組織の概況(経緯、目的、参加員数、連携組織等)、2.活動プログラム、3.組織活動の成果と課題、4.組織活動の展望、等である。
引き続き、男性介護者の介護体験記の分析を行い、介護者組織や支援者組織というボランタリーアソシエーションの意義についての理論化を試みる。
さらに、ボランタリーアソシエーションの活動プログラムの検証・開発を試みる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費は主に以下の通り計画している。
①物品費では、関連の専門図書の購入、PC周辺機器の購入を中心に執行する。
②旅費では、介護者組織や支援者組織のインタビュー及び参与観察に要する旅費及び関連学会参加に要する旅費に執行する。
③人件費・謝金では、当研究会への報告者への謝金、調査の集計・分析に掛かる研究補助者の雇用費に執行する。
④調査研究の中間まとめとする報告書等の印刷経費に執行する。

  • Research Products

    (7 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results) Book (4 results)

  • [Journal Article] 高齢者の権利擁護・虐待防止の動向2013

    • Author(s)
      津止正敏
    • Journal Title

      権利擁護・虐待防止白書2013

      Volume: なし Pages: 58-61

  • [Journal Article] ケアメンプロジェクト‐介護退職ゼロ作戦を社会運動にー2012

    • Author(s)
      津止正敏
    • Journal Title

      月刊看護

      Volume: Vol.64NO.11 Pages: 20-21

  • [Presentation] 「介護退職ゼロ作戦!」を社会運動に

    • Author(s)
      津止正敏
    • Organizer
      男性介護研究会
    • Place of Presentation
      立命館大学(京都府)
  • [Book] ケアメンを生きる-男性介護者100万人へのエール-2013

    • Author(s)
      津止正敏
    • Total Pages
      147
    • Publisher
      クリエイツかもがわ
  • [Book] ケアメンを生きる-男性介護者へ贈る言葉-2013

    • Author(s)
      津止正敏
    • Total Pages
      64
    • Publisher
      立命館大学人間科学研究所
  • [Book] 「介護退職ゼロ作戦」という社会運動2013

    • Author(s)
      津止正敏・鎌田松代・斎藤真緒
    • Total Pages
      156
    • Publisher
      立命館大学人間科学研究所
  • [Book] しあわせの社会運動-人がささえあうということ-2013

    • Author(s)
      津止正敏
    • Total Pages
      158
    • Publisher
      ウィンかもがわ

URL: 

Published: 2014-07-24  

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