2013 Fiscal Year Annual Research Report
動画シンボルを社会生活のさまざまな場面で活用するための認知心理学的応用研究
Project/Area Number |
23530833
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
井上 智義 同志社大学, 社会学部, 教授 (40151617)
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Keywords | 言語 / コミュニケーション / 対話 / 応用研究 |
Research Abstract |
本研究は、ユニバーサルデザインに配慮したコミュニケーション・ツールを社会生活のさまざまな場面で活用するための認知心理学的応用研究である。そのため、まず①幼児教育の場面での対話、②大学における留学生を対象にした学生支援の対話に場面を限定して、それぞれの対話場面での会話データを収集するとともに使用頻度の高い語彙と文の構造を分析した。また、異言語間コミュニケーション場面での異文化理解要因も視野に入れて結果の分析などをおこなうことを目的とした。研究は大きく以下の4つの内容に分類できる。(1)特定の2状況下(①中国と日本の幼児教育の現場、および②大学での留学生支援)における対話データの収集とその分析、(2)特定場面で日常的にサービスを提供する人たちとサービス利用者の両者への聞き取り調査、 (3)すでに類似のコミュニケーション・ツールが、どの程度使用されているのかについてのフィールド調査、(4)対話データから得られた高頻度使用の概念と表現のシンボル化を含むコミュニケーション支援ツールの開発である。 本研究の結果からは、たとえば、中国と日本の幼児教育の場面は、一見類似した様子が見られるものの、教師の子どものとらえ方や教育観が異なることから、コミュニケーションにおいても、個々の指示内容や子どもの望ましいあるべき姿についても違いがみられることが明らかにされた。それに伴い使用される語彙の内容にも、当然のことながら違いがみられた。つぎに、留学生の支援場面での会話分析については、外国人留学生の日本語の発音や文法の問題から、会話において誤解が生じる可能性が具体的に数多く指摘された。さらに、日本語と中国語における同形異議語(愛人・手紙・汽車など)の問題も深く誤解にかかわっていることなどが示唆された。
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Research Products
(3 results)