2012 Fiscal Year Research-status Report
延長保育における生活リズムの夜型化をくいとめる: 短時間仮眠システムの導入
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23530862
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
福田 一彦 江戸川大学, 社会学部, 教授 (20192726)
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Keywords | 幼児 / 昼寝 / 保育園 / 幼稚園 |
Research Abstract |
都内の保育園に協力を仰ぎ、園児の睡眠の実態調査を実施している。現在のところ、1歳児から5歳児にかけての保育園と自宅での睡眠の実態調査の結果、午前10時を中心とした午前の昼寝と午後1時から3時にかけての午後の昼寝の発達に伴う消長に年齢による差異が認められ、午前の昼寝の消失が午後の昼寝の消失に比較してかなり早いことが分かってきた。 また、足立区全体での約2500名の保育園児を対象とした調査によって、3歳児で70%、4歳児で80%、5歳児で90%、6歳児で95%の子どもが自宅では午後の昼寝をとらない事が明らかとなった。これまでは、アメリカのデータ(National Sleep Foundation)を用いて、幼児期の昼寝の標準値としてきたが、このデータでは、3歳児の40%が昼寝をとらないとされてきた。今回の結果は、この数字をはるかに上回る割合の3歳児が昼寝をとっていないという事を明らかにしたことになる。日本の保育園では発達に相応しくない昼寝の日課が与えられている一方でアメリカでは自然な子どもの欲求に合わせていると考えてきたが、特に3歳児の場合には、アメリカでも幼児の欲求以上に昼寝を課している可能性が考えられた。 以上から、これまで考えられていたよりも、昼寝の消失がかなり早い段階に生じている可能性が考えられた。今後は、幼児に対する短時間仮眠の影響を調べるとともに、幼児の昼寝の消長の実態について、より詳しい調査を行う必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼児の昼寝の実態については、予想よりも成果を得られているが、脳波処理ソフトの導入が遅れた事や、幼児のリクルートが遅れた事によって実際の仮眠の実験が思うように進んでいない。次年度は最終年度なので、実験協力者数を増やして本来の目的を達成できるようにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であるので、幼児の実験協力者をなるべく増やしてデータの量を増加させることを中心に考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験協力者の謝金や消耗品、解析に要する研究補助者への謝金などが研究費の使用の中心となる。
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Research Products
(7 results)