2014 Fiscal Year Annual Research Report
音声コミュニケーションの基礎となる論理的思考・対人認知能力の総合的教育評価
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23530887
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
内田 照久 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (10280538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 起夫 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (10203829)
伊藤 圭 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (60332144)
内田 千春 共栄大学, 教育学部, 准教授 (20460553)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 測定評価 / 音声 / コミュニケーション / リスニングテスト / 対人認知 / 性格特性 / 声質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,音声コミュニケーションに関する教育評価方法の開発を目的としている。従来の言語運用能力の評価に加え,今後の多文化共生社会で必要とされる論理的思考力,相手の特徴や意図を推測する対人的認知能力まで教育測定の対象とする。新しいテストの開発にあたっては,(1) 言語運用能力,(2) 論理的思考能力,(3) 対人認知能力,の3つの相に整理して研究を進めた。研究期間内は,従来型のリスニングテストを土台に据えて言語運用能力の測定の現状を検証した。さらに,音声の韻律的特徴と話者の性格印象の関係のモデル化を進め,対人的な認知能力の個人差測定への拡張を図った。 (1) 従来型リスニングテストにおける言語運用能力の測定方法の評価: センター試験に「英語リスニングテスト」が導入されるまでの歴史的な経緯を検証した。共通第1次学力試験導入前の1970年代から現在まで,30年に及ぶ議論や動向について,歴史的な資料をトレースして分析してまとめ,テスト学会誌の研究論文として公刊した。 (2) 話者特徴の操作と対人認知能力: 音声が伝達する話者の特徴に着目して,話者の個人性を担う声質を操作する実験を行った。声道長の操作を模したスペクトル周波数軸の伸縮を行い,声質を変換した英語リスニングテストを生成して聴覚実験を行った。 (3) 音声の韻律的特徴と話者の性格印象: 音声の発話速度・基本周波数(F0)・母音の明瞭性といった韻律的特徴と,話者の性格印象の関係のモデル化を進めた。これらの研究の成果は,音響学会のスペシャル・セッションの招待講演で発表したところである。
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