2011 Fiscal Year Research-status Report
児童・生徒に対するコミュニケーション・スキル訓練の開発と実施
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23530933
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
牧野 幸志 摂南大学, 経営学部, 准教授 (00330762)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | コミュニケーション / スキル / 児童 / 生徒 |
Research Abstract |
児童を対象としたコミュニケーション・スキル訓練のプログラム作成ための情報収集を行なった。まず,小学校5,6年生である児童にアンケートを行い,ふだん使用しているコミュニケーション・スキルの具体例を収集した。この結果を分析することにより,児童が使用するコミュニケーション・スキルが明らかとなった。また,実際の小学生にインタビューを行い,その様子をビデオカメラで撮影した。特にどのようなコミュニケーションが苦手かを中心に面接を行なった。次に,実際に小学生にいくつかの場面でロールプレイをしてもらいその様子を撮影した。その後,スキル研究で示唆されているスキルのカテゴリー(例.人の話を聞く,意見を述べる,問題を解決するなど)を参考に,ディスプレイ上に提示されたコミュニケーション・スキルを,数名の研究協力者に分類を依頼した。これにより,使用頻度の高いスキル,効果的と思われるスキルなどの抽出に成功した。さらに,児童が用いるコミュニケーション・スキルのリストを作成した。現在,このスキルが実際に使用されているか(使用頻度),効果があるか(効果性)を確かめるために,スキルを撮影したビデオを他の小学生に見せ,(1)スキル使用の有無,(2)スキルのインパクト,(3)スキルの使用頻度,(4)スキルのコストなどを評価し,スキルのリストの妥当性と信頼性を検討している。今後,小学生のコミュニケーション・スキルの分類を行い,その尺度作りを行う。調査,インタビュー,ロールプレイから得られたコミュニケーション・スキルの情報の中からいくつかの因子を取り出し尺度を構成する。この結果を既に作成したコミュニケーション・スキル尺度(中学生用)と比較する。これにより,児童のコミュニケーション・スキルを客観的に評価することが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が研究協力を依頼した学校からの協力が得られたため。研究代表者による分析が順調に行なわれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
児童を対象としたコミュニケーション・スキル訓練の開発を行う。この訓練プログラムの開発を効率的に行うために,他の研究者からの助言を受ける。作成したコミュニケーション・スキル尺度の内容を基に実際にスキルを身につけていくプログラムを開発していく。その際には,既に開発されている中学生用コミュニケーション・スキル訓練も参考にしていく。具体的には,導入を行った後,教示(言葉で説明する)→モデリング(モデルを示す)→リハーサル(繰り返し練習)→フィードバック(ほめる)→般化(他の場面への応用)の5つの技法を用いて訓練を行うプログラムを開発する。まず,このプログラムの適用性を確かめるために,少人数の小学5,6年生に対して実施する。そして,その効果性が認められた後に,プログラムの効率を考え,30名程度で実施し,訓練の精度を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
児童を対象としたコミュニケーション・スキル訓練の開発を行う。この開発のために,他の研究者に協力を依頼する。そのための人件費などに研究費を使用する。また,コミュニケーション・スキル訓練の作成のために,前年度よりも多くの資料や機器を購入する予定である。さらに,作成したコミュニケーション・スキル訓練プログラムの実施に際して,できるだけ多くの協力校を探し,協力を依頼する。訓練のために必要なパソコン,ビデオなどの機器をさらに購入するために予算を使用する。
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Research Products
(2 results)