2012 Fiscal Year Research-status Report
児童・生徒に対するコミュニケーション・スキル訓練の開発と実施
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23530933
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
牧野 幸志 摂南大学, 経営学部, 准教授 (00330762)
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Keywords | コミュニケーション / スキル / 児童 / 生徒 / 訓練 |
Research Abstract |
児童を対象としたコミュニケーション・スキル訓練の開発を行った。まず,昨年度の成果から実際に訓練するスキルの手本となるモデルを作成した。その後,作成したプログラムを協力校にて,試験的に実施した。特に,言葉でのコミュニケーションがかなり確実に可能となる小学校5年生,6年生を対象として1回45分程度のスキル訓練を行った。訓練はモデルとなる大学生がまず手本を示し,その後,児童たちが子どもたち同士で実施する形を取った。 その結果,あいさつや自己表現のスキルにおいては,事後にスキルの向上がみられた。しかしながら,問題解決や感情のコントロールなどのスキルでは短時間の訓練プログラムではあまり効果がみられなかった。特に「断る」スキルについては,抵抗があるようであった。また,もともとスキルの低い子どもについては,あまり積極的に参加できていない様子がみられた。参加者たちの感想においては,訓練を楽しんでいたようであった。スキル訓練の実施は比較的スムースに行われた。 このプログラム開発のために,他の研究者に協力を依頼した。また,コミュニケーション・スキルプログラムの作成や提示のために,パソコンなどの機器を購入した。さらに,訓練の汎用性を高めるために,作成したコミュニケーション・スキル訓練プログラムの実施に際して,できるだけ多くの協力校を探し,協力を依頼した。いくつかの小学校にて協力の承諾を得ることができたが,実施に向けてはまだ準備が必要となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が研究協力を依頼した学校においてスキル訓練の実施が実現できたため。 研究代表者による分析が順調に行なわれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
児童を対象としたコミュニケーション・スキル訓練の実施を引き続き行う。この訓練プログラムの実施を効率的に行うために,他の研究者からの助言を受ける。作成した訓練プログラムをできるだけ多くの小学校にて実施していく。 次に,既に開発されている中学生用コミュニケーション・スキル訓練を公立中学校の生徒に実施していく。具体的には,導入を行った後,教示(言葉で説明する)→モデリング(モデルを示す)→リハーサル(繰り返し練習)→フィードバック(ほめる)→般化(他の場面への応用)の5つの技法を用いて訓練を行うプログラムを実施する。これらのプログラムの効果性は10名以下の少人数では確認されているため,今後は,30名程度の教室サイズで訓練を実施し,訓練の精度を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
児童を対象としたコミュニケーション・スキル訓練の実施を引き続き行う。また,中学校の生徒を対象としたコミュニケーション・スキル訓練についても公立学校において実施していく。このプログラムは以前の科研費による研究で開発が行われている。これらの成果を発表するために,国内,国外の学会にて発表を行う。そのための旅費に研究費を使用する。 また,コミュニケーション・スキル訓練の実施のために,記録用ビデオカメラやデジタルカメラなどを購入する予定である。また,訓練のための動画編集のためにパソコンを購入するために予算を使用する。
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Research Products
(4 results)