2013 Fiscal Year Annual Research Report
新教育運動期における学校の「アジール」をめぐる教師の技法に関する比較史的研究
Project/Area Number |
23531005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山名 淳 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80240050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 健市郎 関西学院大学, 教育学部, 教授 (50229887)
山崎 洋子 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (40311823)
渡邊 隆信 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (30294268)
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Keywords | アジール / 新教育 / 学校空間 / 比較史 |
Research Abstract |
本研究は、新教育運動期において、児童・生徒の「本性」に基づいて彼らの自己活動の余地を保持するために、学校における「アジール」的な時空間の重要性が認識され始めたことに注目し、新教育的な学校における「アジール」との関わりにおける教師の技法を、新教育運動の影響が最も鮮明にみられたイギリス、ドイツ、アメリカ合衆国を考察対象として比較史的に究明することを目的とした。最終年度であったので、当初の計画に即して、史料の整理および分析、現地調査の分析、解釈のための理論基盤の検討をもとにして、本共同研究の総合的な成果をまとめた。 当初の計画にほぼ沿った形で、(1)2013年5月19日、兵庫教育大学神戸サテライト(兵庫県神戸市)、(2)2013年7月21日、武庫川女子大学山﨑洋子研究室(兵庫県西宮市)、(3) 2013年12月23日、芝蘭会館研修室(京都市)の年3度の研究会を開催し、各分担にしたがって研究報告を行い、その内容について議論した。研究成果については、年度末に報告書を刊行した。研究代表者および研究分担者が積み重ねてきた活動により、研究構想時に設定した目的はほぼ達成できたと考えている。 今回の共同研究では、研究代表者および研究分担者の考察を核としつつも、その成果を外部への批判に開いていったことによって最初に十分に意識していなかった「アジール」研究の学際的な可能性がみえてきた。「教師の技法」という点においては歴史研究の制約も経験した。この点については研究方法についてさらに検討が必要と考えられる。この3年間における本共同研究の成果を紙媒体の報告書を作成して公にした。
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Research Products
(8 results)