2013 Fiscal Year Annual Research Report
学校評価・教育品質保障におけるDDDM概念の導入・普及研究
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23531089
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
豊福 晋平 国際大学, グローバル・コミュニケーション・センター, 准教授 (10308562)
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Keywords | 学校経営 / データ活用 / 情報システム / データリテラシー |
Research Abstract |
本研究は前年度に引き続き①DDDM(Data Driven Decision Making:データ駆動型意思決定)概念を整理するための文献調査②DDDMに関する諸外国の実態調査分析③我が国のDDDMフィージビリティに関する調査分析の3点で検討を進めた。 ①については、米国NCLB法を背景とするDDDMの概念整理、各政府レベルのデータ駆動型意思決定の運用状況とともに、教育にこの概念を適用するために必要な教職員のデータリテラシー、概念普及に向けた対策についてまとめた。②については、香港・韓国・フィンランド・スウェーデンでの学校校務システム(保護者とのコミュニケーション手段を含む)の運用とともに、DDDMと関わる教育情報化全般のコンセプトと環境整備状況について把握した。③については、国内の教育情報化の現状に鑑み、米国との比較で課題点を明らかにするとともに、米国における教職員向け意識調査を元に、我が国におけるシステム利用状況・教職員のデータリテラシーを明らかにするアンケート調査を実施し、結果を分析考察した。 国際的にみても、OECDのPISA調査をはじめとした国際間教育指標比較など、標準テストを用いて公教育のアカウンタビリティと指導改善が求められる傾向が強化されていること、日本では2006年以降教務効率化を目的とした校務システムが各自治体教育委員会で導入されつつあること、全国学力・学習状況調査の実施に伴い、各都道府県で結果分析用ツールが開発公開されたことなど、DDDMが求められる背景因は共有されている。 しかし、我が国は米国NCLB法のようなエビデンス重視の強い政策方針を持たず、各行政機関レベルのデータシステムはまちまちで相互運用性に欠け、データ利用のための分析考察能力も機能も十分でない。DDDM普及のためには教育情報化全体の構造を見すえた総合的なアプローチが必要とされる。
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Research Products
(2 results)