2011 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児(3歳未満児)に対する臨床美術を導入した造形表現カリキュラムの構築
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23531098
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Research Institution | Seiwa Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
保坂 遊 聖和学園短期大学, その他部局等, 准教授 (90423996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 一則 東北福祉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10382665)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 3歳未満児に対する保育内容 / 臨床美術 |
Research Abstract |
平成23年度は、3歳未満児へ対する造形表現活動の保育現場の実態と課題を捉えるために、保育現場へのアンケートを実施し、0~2歳児の保育を担当している保育士の取り組みや課題、問題点などを分析した。[(1)保育現場を対象とした実態調査]では、基礎調査として、宮城県内の公立・私立保育所337箇所へ質問紙の郵送によるアンケート調査を実施した。尚、実施については、平成23年3月11日に発生した東北大震災の影響を鑑み、当初予定より半年ほど遅れた平成24年2月1日~28日の期間に行ない、276カ所から返答があり、回収率は81.8%であった。0~2歳児に対しての活動実施形態や内容、評価法、また問題点や現状について現在、分析中であり、造形表現についての保育現場の現状課題を抽出することが次年度の計画である。 また、[(2)保育現場での観察調査]として、仙台市泉区に所在するA保育園の協力を得て、保育活動の様子を観察し、0~2歳児の発達過程や興味・関心、課題について具体的に捉え、造形活動プログラム立案に必要な要素を検討した。また活動の様子をビデオカメラ等で記録し、乳幼児と保育者の関わりの中で必要な援助についても分析を行った。[(3)文献調査]では、効果的な造形表現活動支援を検討する上で、参照となる様々な分野からの文献調査を行い、美術教育学、発達心理学、運動生理学、脳科学、色彩学等、乳幼児期の発達に関する多角的な視点から、造形活動の意義と必要なアプローチを検討した。更に、[(4)カリキュラムの開発]として、上記の(2)、(3)研究により抽出された課題を基に、臨床美術アプローチを応用した乳幼児対象のカリキュラムの開発を行い、その効果を検証するための示唆をえることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の申請と研究計画は平成23年に行ったものである。しかし平成23年3月11日に発生した東日本大震災がもたらした未曾有の被害は、宮城県内各施設へも影響を齎した。 本学も新年度の入学式、開講が1か月遅れ、また保育所各施設も地域によっては、全壊、半壊等の壊滅的被害を受けた。これらのことを鑑み、まず、混乱期から、平常的な保育運営が再開される目途を伺いながら、適切な研究開始時期を検討していった。 幸いなことに仙台市内の研究協力園では、後期9月以降からの研究協力を得られ、当初の予定通りの、観察実践研究を実施することができた。しかし、宮城県内全保育所へのアンケート調査については、復興による保育所運営が正常化し始めた、年明け平成24年2月の実施となった。このため、年度内にアンケート調査を行う事ができたが、その結果の解析は、平成24年度に持越しとなり、現在急ぎ解析中である。これらを平成24年度前期にはまとめ、そこから得られた課題をもとに、後期の実践研究を構築していく。 以上のような想定外の事態が研究に影響を及ぼしているが、最小限度の修正のとどまり、研究を遂行していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度(2年目)では、基礎調査[(1)保育現場を対象とした実態調査]として、宮城県内の公立・私立保育所へのアンケート調査を実施した結果の分析を行い、保育現場における3歳未満児への保育の実態と課題を抽出する。こららを基に、発達や成長を考慮したより具体的な目的と内容について、臨床美術アプローチを取り入れたカリキュラム開発を行い、パイロットプログラムの実践研究を保育現場で実施する。また、保育士との協働により、子どもの変化を観察し、さらに保育士自身のカリキュラム評価を行い、妥当性、有効性について検証する。 [(5)保育実践による検証]として、宮城県仙台市内の私立保育園2箇所において、0~2歳児へ対して開発した造形表現活動を実践し、その有効性について検証する。乳幼児に対しては、特に感覚を多用した造形アプローチにより、発達・成長を促すカリキュラムが効果的である仮説が立てられる。そのような目的に様々な造形技法、教材を用いた臨床美術アプローチを導入した新たなカリキュラムの開発と実践をし、その効果を検討する。また、[(6)カリキュラムの妥当性の検討]をすべく、現場保育士との協働により、カリキュラムの効果と意義について、乳幼児の発達の変化を観察記録より評価する。また保育士自身の気づきと理解の変容について自己評価を行い、分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度においては、0~2歳児の発達や成長を考慮した具体的な造形表現カリキュラムの構築と実践に主眼が置かれている。感性を伸長するための様々な教材や技法を検討するためのカリキュラム開発費用(200千円)、そして、保育園で実践するためのカリキュラム実践画材教材費(400千円)が必要経費となる。また各領域関連の研究者と連携を図るための調査旅費(500千円)、専門知識の情報提供を頂くための経費(100千円)が計上されている。さらには、研究成果を各関連学会等で発表するための旅費(200千円)を申請している。また、実践研究において、多数の実践例動画を分析するための処理を行うデスクトップパソコンの購入(250千円)を計画している。
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Research Products
(1 results)