2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531140
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
浦田 広朗 名城大学, 大学・学校づくり研究科, 教授 (40201959)
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Keywords | 私立大学 / 公共性 / 高等教育 |
Research Abstract |
本研究は、我が国の私立大学に投入される資源を示す財務データ(特に収入データ)とアウトプットを示す教育・研究の成果データを広く収集・分析し、私立大学が如何に「公」に支えられているか(あるいは支えられていないか)、私立大学の教育・研究の成果が如何に公共性を有しているか(あるいは有していないか)を実証的に明らかにしようとするものである。その際、私立大学についてのみ分析するのではなく、広く国公立大学についてもデータを収集し、私立大学との比較分析を行うこととしている。 このような目的の下、24年度は、前年度から進めている公共性についての理論的検討と実証研究のために必要なデータベースの整備を継続しつつ、①財務面からみて私立大学が家計・公費・その他の民間資金によりどのように支えられているか、②教育面からみて私立大学は各地域の高等教育供給全体の中でどのような位置を占めているか、③研究成果の生産量(論文数、発明数)からみて私立大学はどのような位置を占めているか、という点を中心に分析を進めた。 また、それぞれの地域社会に対して私立大学が実際に果たしている公共的機能を把握するために、3市6校を訪問してインタビュー調査を実施し、関係資料・情報を収集した。 研究期間中であるので、まだ十分な成果は上がっていないが、上記①の私立大学の財務分析についての中間的報告を「私大財務の現段階」という記事として取りまとめ、後掲「研究発表」欄に示した機関紙上に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度は、上記「研究実績の概要」で述べた3点に加えて、私立大学が我が国経済および地域経済に及ぼす効果についての分析を進める予定であったが、この分析に必要な包括的データベース整備に時間と労力を費やしたため、この分析にを十分に進めることが出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
公共性についての理論的考察については、24年度同様、教育関係学会のみならず、日本社会学会、数理社会学会などでの議論を踏まえて深めていきたい。 私立大学の公共性についての、財務面・教育面・研究面からの分析は24年度と同様に進めていくが、私立大学が我が国経済および地域経済に及ぼす効果の分析については、データベースを活用した分析を本格的に進めると共に、最近の経済情勢の変化を踏まえて深めていきたい。 インタビュー調査を含む現地での資料収集については、大学がそれぞれの地域社会において果たす役割を考慮し、3市5大学を訪問して進める計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として、幅広い観点からの理論的検討を継続するために、図書費が必要である。データベースにもとづく実証分析を精緻化するために、統計処理ソフトウェアのバージョンアップも計画している。 旅費としては、上記の現地調査のための国内旅費が必要であり、外国旅費は必要としない。 謝金については、25年度に導入した高性能のドキュメントスキャナーにより手入力作業が大幅に軽減され、かつ、どうしても手入力にが必要な部分については、信頼度の高い入力業者への委託が可能となったので、研究補助者への謝金は削減する。 その他としては、複写費・通信費に加えて、上記データ入力業者への支払いを計画している。
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Research Products
(1 results)