2012 Fiscal Year Research-status Report
小・中学校における紛争解決の意識・能力の育成に関する基礎的研究
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23531184
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
磯山 恭子 静岡大学, 教育学部, 准教授 (90377705)
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Keywords | 教育学 / 社会科 / 市民的資質 / 法教育 / アメリカ / 法化社会 / 紛争解決 / カリキュラム |
Research Abstract |
本研究は,日本の法化社会の進展を踏まえ,市民のための法教育のあり方を考える基礎的研究である。本研究は,市民に必要な紛争解決の意識・能力の育成を目指した法教育の理論と実践を分析し,日本の小・中学校の法教育のカリキュラムを構想するために必要な視点を提出することを目的としている。 本年度は,平成23年度に得られた成果を基にして,日本の小・中学校の紛争解決の意識・能力の育成を目指した法教育の授業モデルを開発した。二カ年で得られた知見から,アメリカの法教育における紛争解決の意識・能力の育成の原理を分析した。本年度の研究成果は,具体的には,以下の通りである。 (1)収集したいくつかの州のフレームワークを調査し,その中に法教育についてどのような内容構成で学習形態が位置づけられているか分析した。収集した関連団体の開発したカリキュラムや教材を,「法教育」「紛争解決」の視点から分析した。収集した小・中学校の法教育の学習指導案から,市民に必要な紛争解決の意識・能力を育成するための学習方法や活動を分析した。 (2)収集した資料の分析及び集録した授業の分析結果について,アメリカの法教育および司法教育研究の専門家に意見を求めた。同時に,資料を追加収集し,分析結果の精緻化を図った。 (3)以上の得られた知見に基づき,小・中学校における紛争解決の意識・能力の育成を目指した法教育の授業モデルを開発し,それらの実践を踏まえて考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度が(2)である理由は,以下の三つである。 (1)アメリカの州社会科フレームワーク,カリキュラム,教材,学習指導案を分析し,これからの日本の市民に必要な紛争解決の意識・能力を育成するための具体的な学習方法を考えることができた。 (2)アメリカの法教育および司法教育研究の専門家から研究状況に関する意見を聞き,本研究課題の紛争解決の意識・能力の実態を解明できた。 (3)小・中学校における法教育の授業モデルの開発し,それらの実践を踏まえて,本研究課題の紛争解決の意識・能力の分析に必要な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた成果から,アメリカの法教育における紛争解決の意識・能力の育成の原理を分析することができた。 次年度以降,(1)小・中学校における法教育の授業モデルの開発・実践(追跡調査),(2)研究成果の公表・普及を行うことで,日本の小・中学校における市民に必要な紛争解決の意識・能力を育成するための課題を解明していく。 本年度行った専門家からの意見聴取・情報収集で残された課題は,次年度追跡調査を行う計画をすでに立てることができている。次年度は,静岡県社会科・法教育研究会での連携を生かして,小・中学校における法教育の授業モデルの開発・実践をまとめ,成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(7 results)