2013 Fiscal Year Annual Research Report
鑑賞の授業における構造主義モデルの再吟味と社会文化論的アプローチによる再構築
Project/Area Number |
23531197
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小川 容子 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20283963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 真由美 北海道大学, 文学研究科, 教授 (30301823)
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Keywords | 授業モデル / 構造主義 / 音楽鑑賞 |
Research Abstract |
平成25年度は,3年間の研究の総括として教育現場の実態を踏まえた授業モデルの提案をおこなった。具体的には, (1)岡山大学附属小学校での数回にわたる提案授業と検証授業をおこないながら,現代音楽を用いた鑑賞授業の指導計画の構築と提案をおこなった。併せて,(2)鳥取大学附属小学校においても,同様の理論的枠組みに基づく指導計画(半期分)を作成し,グループ並びに学級全体の学びの深化と子どもたちの協働作業の経緯と発展に関する実証的なデータ蓄積につとめた。さらに,(3)近年,総合芸術の普及・推進に非常に力を入れている台湾の音楽教科書の分析をおこない,これまでに収集した構造主義モデルに関連する資料との比較分析をおこなった。附属小学校の子どもたちの活動の様子は,映像及び声データとして時系列に集積した。授業の前後にはプレテスト・ポストテストを実施し,指導の効果について検討した。その結果, プレテストの段階で現代音楽の表面的な特徴に気づく子どもたちは半数以下であること,授業の中で,繰り返しがどのように変化・発展しているのかを丁寧に聴き比べ理解を深めることで,現代音楽の深部の特徴に気づくこと,ポストテストの段階では,現代音楽の表面的な特徴はもちろん,その中で使われている匠のワザに気づく子どもたちが8割にのぼることが明らかになった。また,大学教員と小学校教員が協働で提案授業の構築・検証をおこなうことで,授業実践を担当した教員の学びの深化についても確認することができた(印刷中)。なお,附属小学校での授業実践の効果が,公立小学校でも実証できるかどうか引き続き検討を重ねている。
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Research Products
(3 results)