2011 Fiscal Year Research-status Report
感性の涵養とコミュニケーション能力育成のための俳句指導法の開発
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23531208
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中西 淳 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10263881)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ハイク / 北米 / 国際交流 / 俳句教材 |
Research Abstract |
本年度は我が国と北米の俳句・ハイク教育の情報収集を主な目的とした。 我が国の学校教育において俳句は、小学校学習指導要領の「伝統的言語文化と国語の特質に関する事項」(3・4年生)と「書くこと」(5・6年生)にその指導内容が明記され、平成23年度からそれが完全実施されることとなった。ゆえに、平成23年度版小学校国語教科書における俳句に関する教材の傾向を捉えた。全体的に、「伝統的言語文化と国語の特質に関する事項」に関しては、教材として、芭蕉、蕪村、一茶、子規の俳句が用いられる傾向にあること、「書くこと」に関しては、学習者の同年代の俳句を用いて親しみやすく創作活動を行わせようとする傾向にあることが分かった。 さらに、北米でのハイク教育のあり方、及びそれを取り巻くハイク事情を文献を通して捉えていった。それによって次のことが明らかになった。ハイクを学ぶことは、言語教育のみならず環境教育としても意味があると考えられていること。ハイクの定義には我が国との相違はあるものの、創作及びその指導のあり方には共通する点が多く見られること。ハイクはESL教室や学校プロジェクトにも活用されていること。若者のためのカンフェランスが開催されていること。ハイク大会、ハイク競技会、コミックスの制作、本作り等、ハイクに関する多彩な楽しみ方がなされていること。北米の文化に見合ったハイクの模索がなされていること。特に、ハイクスラムというハイク競技会は、我が国の松山俳句甲子園の競技会と似ている点があり、俳句をめぐる共通項として興味深いところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
北米において教師向けのハイクガイドブックが2011年に出版され、これによって、北米における学校教育及び一般社会におけるハイクの動向が的確に捉えることができた。また、我が国の学校教育における俳句教育の実際を、北米において発表することによって、新たな情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、国内・国外の俳句教育に関する情報をさらに推進する。北米において教師向けのハイクガイドブックを手がかりとして、また、北米で我が国の俳句の教育を紹介することによって、北米のハイク教育を深く理解する。さらに、我が国の小学校教材をさらに細かく分析し、俳句教材の開発を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究成果の発表を、全国大学国語教育学会にて行う。さらに、北米のハイクカナダの大会においても我が国の俳句に関する発表を行う。さらに北米のハイクに関する調査を行う。研究費は、以上の研究発表及び調査旅費・研究補助に使用する予定である。さらに、俳句教材開発のための機器を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)