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2011 Fiscal Year Research-status Report

デジタルコンテンツとモデル実験とを有機的に結び付けた天文学習プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 23531240
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

岡崎 彰  群馬大学, 教育学部, 教授 (40152285)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 栗原 淳一  白梅学園大学, 子ども学部, 講師 (90583922)
益田 裕充  群馬大学, 教育学部, 准教授 (30511505)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords教材開発 / 理科教育 / 天文教育 / デジタルコンテンツ / モデル実験
Research Abstract

交付申請書における平成23年度の研究実施計画では、「日食と月食」と「月の満ち欠け」の教材開発と学習プログラムの開発を掲げた。 「日食と月食」については、過去に実施した授業を踏まえて、本テーマの教材開発と学習プログラムの開発における工夫と課題について新たな視点から考察を行った(岡崎 2012.3「天文現象を実感できるモデル教材についての一考察」)。また、この考察の妥当性をチェックするため、平成23年12月に群馬県太田市内の公立中学校において、開発段階にある教材と学習プログラムに基づいて日食・月食の予備的な授業実践を行った。現在、その分析結果を踏まえて検討しているところである。 「月の満ち欠け」については、月と太陽との離角を媒介として、観察またはその画像とモデル実験とを有機的に結び付ける教材と学習プログラムを開発し、平成23年12月に群馬県太田市内の公立中学校において授業実践を行った。その結果、開発した教材が、1)「月の満ち欠け」の学習内容の理解やその定着を図る上で有効であること、2)観察記録とモデル実験結果の関連付けを図る上で有効であることがそれぞれ明らかとなった(栗原・岡崎 2011.12「『月の満ち欠け』モデル実験用教材の開発」学会発表[中間報告])。 上記以外に、天文観測衛星が撮影した太陽と惑星と恒星が同一画面に見えている実写動画(LASCO movie)の教材化として、中学校理科授業「太陽の年周運動」における有効性を実践例に基づいて論じ、さらに高校地学の探究活動として「合」付近における「惑星の動き」の具体案を示した(岡崎・栗原 2012.3「中学・高校の天文分野の授業におけるLASCO動画の活用-太陽の年周運動と惑星の視運動-」)。 このほか、平成24年3月に来日した韓国・ソウル教育大学校の研究者と、日食・月食の歴史的な観察記録の活用について意見交換を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書における平成23年度の研究実施計画を要約すると、1)「日食と月食」の教材開発とそれに基づく天文学習指導プログラムの開発を進める、2)平成20年版学習指導要領で新たに導入された「月の満ち欠け」の教材開発とそれに基づく天文学習プログラムの開発を進める、3)本研究のテーマについて関心を寄せているアジア数カ国の天文教育研究者と意見交換を行い、各国でこれらの教材がどのような形で利用できるかを検討する、の3点であった。 「9.研究実績の概要」で述べたように、1)については、若干遅れている部分もあるが、全体としては、それなりに進展していると見なすことができる。2)については、おおむね順調に進展しているといえる。3)については必ずしも十分な進展とはいえない。しかし、その一方で、当初は平成24年度の実施計画としていた「太陽の年周運動」と「惑星の動き」の教材化については、その計画内容の一部を前倒しする形で平成23年度に実施しており、当初の計画よりも進展しているといえる。 以上を総合すると、現在までの達成度としては「(2) おおむね順調に進展している」としてよいと思われる。

Strategy for Future Research Activity

基本的には、交付申請書で述べた研究実施計画に基づいて進めていくことになるが、部分的には、「11.現在までの到達度」で述べた個々のテーマの到達度の違いを是正すると同時に、平成24年度が全国各地で日食が見られることも考慮して、若干の変更を加えることとする。 すなわち、次年度には以下を主なテーマとする。1)「日食と月食」と「月の満ち欠け」については、(必要があれば、さらなる授業実践を踏まえて)教材と学習指導プログラムの一層の改良を行い、最終的に、使用する教材の作製方法と天文学習プログラムをウェブで公開する。このうち、「日食」については平成24年5月で得られるデータを有効に使用する。2)太陽と惑星と恒星が同時に写っている実写動画(LASCO movie)の教材化をさらに進め、これに基づく「惑星の動き」の新たな探究活動の提案を行うとともに、地球の公転運動の動きをうまく表す「太陽の年周運動」のモデル教材も開発する。3)上記テーマに関連するデジタル教材の素材を既存の望遠鏡とCCDカメラを用いて取得する。4)天文現象の歴史的な観察記録を天文教材として活用する可能性について、アジアの天文教育研究者たちとの交流をさらに進展させる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該研究費が生じた状況としては、「日食と月食」の教材開発に関連して、平成24年5月に全国各地で観察される日食を積極的に活用する方針に転じたことがある。研究計画を立案した当初は、普遍的な教材作成という観点から、特定の日食を焦点化しない方針であった。しかし、小中学生たちだけでなく、教員志望の大学生たちも強い関心を持っており、太陽の安全な観察方法という点からも重要な意味があると判断されたため、彼らの観察を支援しつつ、日食の教材化に有益なデータを得るとの方針に変更した。そのため、本格的な授業実践、日食観察用器具の購入、データ解析などに必要な経費の多くを平成24年度に繰り越した。 次年度の研究費の使用計画としては、上記のとおり、「日食と月食」の教材開発に関連して、1.日食当日に小中学生たちや教員志望の大学生たちが観察に使用する安全な自作日食メガネ(ソーラーシート)等の購入経費、2.日食の観察体験を踏まえた中学校での授業実践のための経費(教材製作費、授業補助ほか)、3.各地における金環日食の観察記録の集計と分布図の作成(ソフト、謝金ほか)に充てる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 天文現象を実感できるモデル教材についての一考察2012

    • Author(s)
      岡崎 彰
    • Journal Title

      群馬大学教育学部教育実践研究

      Volume: 29 Pages: 31-36

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 中学・高校の天文分野の授業におけるLASCO動画の活用 -太陽の年周運動と惑星の視運動-2012

    • Author(s)
      岡崎 彰、栗原淳一
    • Journal Title

      群馬大学教科教育学研究

      Volume: 11 Pages: 17-26

  • [Presentation] 「月の満ち欠け」モデル実験用教材の開発 -観察と実験結果との関連付けと視点移動能力の向上を図るために-2011

    • Author(s)
      栗原淳一、岡崎 彰
    • Organizer
      日本理科教育学会第50回関東支部大会
    • Place of Presentation
      横浜国立大学
    • Year and Date
      2011年12月3日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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