2012 Fiscal Year Research-status Report
大学教育における高度熟練技術伝承法を活用した学習カリキュラムの開発
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23531244
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松原 幸夫 新潟大学, 産学地域連携推進機構, 教授 (20401771)
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Keywords | 暗黙知教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高度熟練技術分野における人材育成法を活用した教育カリキュラムを開発することにある。平成24年度は日本および欧州の「先進企業」の専門職人材育成法、ならびに大学および専門学校における専門職人材育成教育の特性について調査研究した。日本および欧州の「先進企業」において、伝統的な技術伝承法の精神がどのような形で受け継がれ、または変容してきているかについて考察し、その類似点と相違点を明らかにし、わが国の今後の企業内教育の方向性について検討した。それらに基づきカリキュラムの構成原理を提示し検証授業を実施した。 また、日本および欧州の伝統的な技術伝承法が、「守、破、離」等に見られる職人遍歴プロセスを持ち、極めて類似した形で行われてきたことを検証し、そのような学習法の意味について考察した。 平成24年度の研究実績の概要は以下の通りである。 ①2012年12月9日、「ドイツの高度熟練技術企業の人材育成と知的財産ポリシー」というテーマで日本知財学会において発表した。②2013年2月16日、新潟大学社会連携フォーラム「働く幸せ」において人材育成法について公開討論会を開催した。③2012年7月6日、徳島大学において暗黙知教育「感性の磨き方」というテーマで講演とワークショップを開催した。その後、同大学教職員とFD討論会を開催した。④2013年1月26日、新潟市西蒲区コミュニティ交流会において、「明日は今日よりも」というテーマで、まちづくりにおける人材育成のあり方について講演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本および欧州の「先進企業」における専門職人材育成法については、未来工業株式会社取締役相談役山田昭男氏、在日ドイツ商工会議所会員サービス部長林哲裕氏、特定非営利活動法人スペースBe施設長中野実氏、燕商工会議所産業観光課参事高野雅哉氏にヒアリング調査を行った。教育機関については、2012年6月に徳島大学三宅洋一郎教授と暗黙知教育について意見交換を行った。 ドイツのLEWA社については、人材育成担当部長Peter Hahlgans氏、加藤孝一氏、内田貴之氏に、LEWA社およびドイツ企業全般の人材育成法について個別にヒアリング調査を実施した。 また、JETROの木場亮氏、岩井晴美氏からは、最近のドイツおよびEUの若年層の人材育成に関わる労働政策について聴取した。またドイツ大使館経済部澤朗子氏からはドイツの高年齢就労と人材育成に関する最近の状況について聴取し、情報提供していただいた。新潟青陵大学中平浩人教授には、ドイツおよびEUの労働政策と人材育成について情報提供していただいた。 上記調査のほか、日本および欧州の伝統的技術伝承法について文献調査を行った。これらの研究成果に基づき学会やセミナー等で、人材育成カリキュラムの構成原理を提示した。 平成24年度は、上記のとおりほぼ順調に調査研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、現在最先端技術分野において高度な熟練技術を保有し先進的な取り組みをしている企業の人材育成のベストプラクティスを大学教育に導入するだけでなく、日本および欧州の16世紀以降の伝統的な技術伝承の在り方等も検証しながら、わが国の今後の研究開発や技術伝承における人材育成のあるべき姿と理念を明らかにし、その理念を踏まえた上で、今後の日本の企業や大学における専門職の人材育成法を再構築することを目指すものである。 平成25年度は、平成24年度に実施した検証授業で得られた大学教育のカリキュラムに援用する枠組みと構成原理に基づき、研究課題に対応した指導内容として明確に位置づけ、学習のための原理として提示する。前年度の成果と課題を把握した上で改善策を検討し、徳島大学の共通教育および同大学院の研究室において、上記構成原理に基づく検証授業を実施する。25年度も引き続き専門職人材育成のヒアリング調査を実施する。ヒアリング対象先として国内の「先進企業」3社、欧州の「先進企業」1社、伝統技法関連団体1団体、教育機関2団体を予定している。 上記検証授業を受けて、カリキュラムの成果と課題を整理し、大学教育における専門職人材育成カリキュラムとしてまとめ、大学教育で機能する専門職人材育成カリキュラムとして提示する。研究成果については、関連学会等で発表し、学術雑誌に論文として投稿し、また報告書として印刷し、大学や研究機関に公表配布する。また英語論文として学術雑誌にも投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には、徳島大学の教養課程の共通教育および大学院において、暗黙知教育の検証授業を行う。また、日欧の先進企業、教育機関に加えてヒアリング調査を行う予定である。 研究成果については、関連学会である「日本知財学会」「科学史学会」等において発表する。 研究費は、主に上記の調査研究および成果発表のための旅費、宿泊費、謝金、文献調査費、印刷費等に使用される。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 働く幸せ2013
Author(s)
松原幸夫
Organizer
平成23年度第2回新潟大学社会連携フォーラム
Place of Presentation
新潟大学
Year and Date
20130216-20130216
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