2012 Fiscal Year Research-status Report
学齢期の言語・コミュニケーション支援ニーズの類型化に基づく就学前プログラムの構築
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23531279
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大伴 潔 東京学芸大学, 教育実践研究支援センター, 教授 (30213789)
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Keywords | 特別支援教育 / 学齢児 / 言語発達 / コミュニケーション / アセスメント / 指導目標の設定 / プロフィール化 / 言語指導 |
Research Abstract |
24年度は、幼児期から学齢期にかけての言語・コミュニケーションスキルの変化を縦断的に追跡するための幼児期データの収集を昨年度に引き続き実施した。 さらに、通常学級に在籍する児童で、言語・コミュニケーション面での支援を要する児童の実態を探るために、「学級での行動チェックリスト」を作成した。本チェックリストは、「ことばや状況の理解」「ことばによる表現」「読み」「作文」「授業での様子」「行動面の様子など」6領域について、27の評価項目を設けており、児童の学級や生活面でのニーズを把握するために今後活用する予定である。本年度は、小学校の言語障害通級指導教室の担当者の協力を得て、通級指導教室において支援を受けている15名の児童を対象に本チェックリストを試行した。さらに、これらの児童の言語面の特徴をLCSA学齢版言語コミュニケーション発達スケールを用いてプロフィール化した。これらのデータについて、WISC-IIIなどの知能検査の結果と併せて相互の関連性について検討したところ、チェックリストから明らかになった児童の行動・学習面の課題は、言語等のプロフィールにおいて評価点が高い領域、低い領域と単純な相関関係にはないことが示唆された。したがって、支援にあたっては、学級や生活でみられるニーズだけでなく。言語や認知面の特性も評価し、支援目標に取り入れることが重要であることが示唆された。25年度以降も通級指導を受ける児童の評価情報を統合していく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幼児期からの縦断的検討のためのデータを収集することができ、さらに、通常学級に在籍する児童で、言語・コミュニケーション面での支援を要する児童の実態を探るために、「学級での行動チェックリスト」を作成し、15名に試行することができた。ただし、支援方法の体系化のための海外における支援法情報の収集はまだ十分でなく、25年度は指導研究や指導法に関する情報の収集とそれらに基づく支援方法の体系化にも取り組みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度も、縦断データの収集を行い、特に学齢期に達した児童の学齢期の言語・コミュニケーションの状況について評価情報を蓄積していく。また、通級指導教室の担当者と連携し、言語・コミュニケーション面での支援を要する児童の実態を探るために作成した「学級での行動チェックリスト」を通級利用児童に適用するとともに、当該児童の言語・コミュニケーションのアセスメントを実施し、学級での実態とアセスメント情報との関連性について検討を深めていく。さらに、支援方法の体系化のための海外における支援法情報を収集し、アセスメント結果から支援方策への流れを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アセスメントのための検査用紙等の購入、アセスメントデータの入力と分析に対する謝金、行動観察のためのカメラ等の備品の購入、データ収集を依頼する通級指導教室との連絡調整のための旅費、学会発表等の旅費に充てる計画である。
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Research Products
(8 results)