2012 Fiscal Year Research-status Report
不登校を伴う発達障害のある子どもの心理行動特性及び支援体制に関する実証的研究
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23531293
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
武田 鉄郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50280574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西牧 謙吾 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 上席総括研究員 (50371711)
小野 次朗 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20214182)
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Keywords | 不登校 / 発達障害 / CBCL / TRF / YSR / 支援体制 / アクティーグラフ |
Research Abstract |
不登校を伴う発達障害のある子どもの心理・行動特性に関しては、①子ども用の情緒や行動の包括的な質問紙[親用のCBCL,教師用のTRFと本人用のYSRを使用して親,教師,本人の三者の立場から多面的に情緒や行動を評価し,客観的・主観的実態を検討すると共に,プロフィールの特徴を解析し,心理,行動特性を明らかにすることを試みた。事例の対象となったすべての子どもは、情緒と行動面で「臨床域」の状態を呈していた。身体症状が強い児童生徒、昼夜逆転等の生活リズムの崩れている児童生徒、多動な児童生徒を対象に腕時計型小型高感度加速度センサー(マイクロミニ型アクティブグラフ)の活用し行動記録をとり、生理学的にその実態を明らかにした。 また、支援体制に関する実証的研究としては、反社会的行動をとり、児童相談所との連携を図りながら支援体制を構築する中学校や特別支援学校を中心とする支援モデルづくりを行った。また、全国の病弱の特別支援学校を対象に不登校を伴う発達障害のある児童生徒の実態調査を実施し分析を行った。 また、年間を通して発達障害の子育て相談「ほっとルーム(武田鉄郎主催)を通して約25名の保護者の事例研究を推進してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高機能広汎性発達障害で不登校等の二次障害により心身症や不安障害、適応障害等の診断にて,小児科,児童精神科に入院し,特別支援学校(病弱)に在籍する児童生徒が増加しており,その対応が大きな教育の課題となっている。 現在までの達成度として、「情緒や行動の包括的な質問紙CBCL(=Child Behavior Checklist)等で親,教師,本人の三者の立場から多面的に情緒や行動を評価・検討してきた。また、「身体症状が強い児童生徒、昼夜逆転等の生活リズムの崩れている児童生徒、多動な児童生徒を対象に腕時計型小型高感度加速度センサー(マイクロミニ型アクティブグラフ)による行動記録から生理学的にもその実態を明らかにし、家族や医療、学校の連携のもと本人へのストレスマネージメントを含め支援体制の在り方について事例研究を通じて実証的に検討してきた。 また、全国病弱特別支援学校における適応障害のある発達障害の児童生徒の実態把握を実施し、分析を行っている。また、小学校、中学校、特別支援学校で主に事例研究を進めながら発達障害のある児童生徒の支援体制をいかに構築するかについて、一次予防、二次予防、三次予防の視点を持って整理・検討してきた。当初の計画としてもおおむね良好であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
不登校を伴う高機能広汎性発達障害のある児童生徒のストレスマネージメントに関する実証的研究については、自立活動の時間における指導を通して、ストレスマネージメントに関する授業について分析し、ストレスコーピングの柔軟性を小集団の中で育成することを試みる。また、小・中学校への復学支援に関する事例研究を行い、復学支援のモデル化を提言する。 また、高機能広汎性発達障害の児童生徒の不登校などの二次障害予防と支援体制モデル化の検証を行うと共に、不登校を伴う高機能広汎性発達障害の児童生徒のストレス対処の特性と支援に関するガイドブック(試案)をホームページからダウンロードできる環境にし、普及活動を行い、3年間の成果を報告書にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該研究費(3,067円)が生じた状況は、年度当初すぐに通信費(切手代金)として使用する予定があったからである。 翌年度以降に請求する研究費と合わせた使用計画については、平成25年度の研究費使用計画の中において通信費として使用する予定である。
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