2012 Fiscal Year Research-status Report
世代間交流による患児への遊び・学び支援プログラムの実践的研究
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23531319
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Research Institution | Ashiya University |
Principal Investigator |
栗山 昭子 芦屋大学, 教育学部, 教授 (90149641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 理恵子 芦屋学園短期大学, その他部局等, 教授 (10321142)
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Keywords | 海外研究者交流招聘 米国との共同研究 / 「国際情報交換」EACH憲章本部と連携(仏) / 医療関係者 / 子ども病院 / 小児科病棟 / 伝統遊びの病院用アレンジ / 小型紙芝居 / 学びのドリル |
Research Abstract |
①世代間交流による患児への遊び・学び支援ボランティア養成講座(第2期)を3月1日より8日まで実施した。主な内容は中野子ども病院院長木戸稔氏による病児への対応方法や元芦屋女子短期大学教授の吉田扇氏による病児の負担にならない伝統的組みひも遊びの講習などであった。新しく24年度に応募して受付けられた4名のボランティアを含め23年度のボランティア12名が受講し、病児への対応技術の研鑽に励んだ。その成果を中野子ども病院のボランティアとしてまた大阪府立精神医療センターでのボランティアとして現在、活かしている。また第1期の養成講座の内容はテープを起こし冊子として300部作成し、各地のボランティアセンターや高齢者施設、福祉施設に配布するべく希望を募っている。②8月4,5日に東京おもちゃライブラリーより講師が派遣されおもちゃインストラクターの資格をボランティア12名が取得し、現在ボランティアとしておもちゃの遊び方をマスターし病児たちの癒しに還元している。③手のひらサイズの小型紙芝居を250部作成し、150部はクリスマスプレゼントとしてボランティアが手作りの励ましカードを作り、それとともに全国の子ども病院や小児科病棟に送付した。同封したアンケートの回収は三割未満であったが、その結果を集計している。④海外との提携ではバージニア工科大学との連携からヨーロッパ病院子ども憲章の本部と連絡がとれ、現在提携に向けて努力している。車川幸子氏はボランティアコーディネーターとして毎週子ども病院に出向きボランティア派遣の調整を行って医療従事者との軋轢もなく活動は順調に運んでいる。24年度から分担研究者となった芦屋学園短期大学教授 山田理恵子氏は児童心理学の専門を活かし、病児との遊び道具として簡易箱庭の作成に取り組み中野子ども病院にて実践している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
世代間交流による遊び・学び支援ボランティア養成講座の第1期生はその成果を存分に発揮した。しかしその内2名は75歳という高年齢のためにボランティアに出向けず養成を受けただけである。その意味で達成率は85%強と言える。またシニアボランティアは現場で転んだり、頭を打ったりと2名が病院にかかりボランティア保険を使用した。その意味で今後のシニアボランティアの安全性の課題を浮き彫りにできた成果があったと考える。おもちゃライブラリーによるおもちゃインストラクターの資格はボランティア全員が取得したので、達成率は100%であったが、その内2名がボランティアに出ていないので達成率は総合的には85%強であると考える。手のひらサイズの小型紙芝居を作成し手作りカードを添えてクリスマスに150件以上の小児病棟に配布したことは100%の達成だが、アンケート回収が3割に留まったので達成率は6割程度といえよう。しかしハワイの教育学会で24年1月に発表しそこで希望者に残部を配布し日本での活動を披露したことは国際的な認知度を深めた点で8割達成の評価ができると考える。車川幸子氏もボランティアコーディネーターとしてボランティアをよくまとめ、医療機関との連絡調整に腐心している点で、その活躍は85%の評価ができる。総じて全体的には医療機関側にシニアボランティアの子育て経験と暮らしの知識を踏まえた活動の意義を認識してもらった点で、目的の85%は達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、①海外との連携を強化する。ワシントン州立大学教授マット・キャプラン氏を10月に招聘し世代間交流のアメリカでの第一人者として本ボランティアプロジェクトの新規性をアメリカに周知せしめ、アメリカの世代間交流の分野での病児に対するボランティアの可能性について示唆する。マット・キャプラン氏とは共同研究を行い、アメリカに先行して行った本プロジェクト「世代間交流による患児への遊び・学び支援プログラム」のアメリカ版の普及に寄与するべく、本プログラムのボランティアの経験を語る会を催しそれを英語版の冊子にする。それをアメリカの世代間交流に資するべく全米世代間交流学会(Generation United)に持ち帰ってもらう予定である。世代間交流が病院における子どもの福祉向上に役立つよう実践を通した日本の試みをキャプラン氏を通してアメリカの世代間交流学会で発表する。②学びボランティアのための道具としてドリルを開発し病院に持参しボランティアが遊び感覚で子どもを学ばすことができるものを作成し実践する。③吹田市立杉の子学園や大阪府立精神医療センター、中野子ども病院にはボランティア活動をして2-3年目にあたるので、医療従事者からその間の子どもたちの反応や医療側のさらなる要望など評価の聞き取りを行う。④3年間ボランティア活動をしてきたシニアボランティアに聞き取り調査を行いボランティアとしての達成度を確認し、今後への活動への期待を具体的に聞き取り、冊子として残し、ボランティアセンターや老人福祉センターなどに寄贈し、今後のボランティア活動に寄与したい。⑤ヨーロッパ子ども病院憲章本部と連絡を取り本プログラムの成果である冊子の英語版や手のひら紙芝居の英語版を持参し連携を図り、国際的に病院における子どもの福祉向上への日本のボランティアの取り組みを紹介する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①ワシントン州立大学教授マット・キャプラン氏の招聘(往復旅費と滞在費) 20万 ②子ども病院や小児病棟への遊びボランティア派遣の交通費と謝金25万円③分担研究者山田理恵子氏の学びドリル開発資金および学びボランティアによる実践活動に必要なボランティアへの交通費と謝金 20万円④車川幸子氏のコーディネーター交通費と謝金 15万円 ⑤ヨーロッパ子ども病院憲章の本部との連絡および交通費 15万⑥テープ起こし、英訳費用 10万円 ⑦小児病棟やこども病院にボランティアが持参する絵本代金5万円
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Research Products
(8 results)