2011 Fiscal Year Research-status Report
無限次元代数群とリー環の構造の研究、および語・記号列への応用
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23540006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 純 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20166416)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 代数群 / リー環 / 非周期構造 |
Research Abstract |
無限次元代数群とリー環の研究を行った。代数群の研究においては、カッツ・ムーディ群の構造に関して既存理論の検証、問題の明確化、情報収集などを行った。特に、リヨン大学を訪問し、レミ教授と研究連絡を行い、研究を始動させた。カッツ・ムーディ代数のボレル部分代数とその根基代数の自己同型に関して、カッツ・ムーディ群との関係を解明して、研究発表を行った。リー環の研究においては、カッツ・ムーディ代数に関連する導分の研究および局所拡大アフィン・リー環の構造と分類の研究を行った。既存理論の検証、研究連絡、情報収集などを行うとともに、継続的な問題の解決に当った。分類の最終段階では、導分の分類が重要となり、カッツ・ムーディ代数の導分の研究とも絡めて、今までにない構造を発見し、次年度への準備を行った。概ね分類問題は最終段階に差し掛かっており、遠からず解決するもとも見込まれる。さらに、これらの研究成果の応用として、語と文字列の不変量の研究も行った。既存理論の検証、実験データの蓄積、情報収集なども行うことが出来た。また、ケレンドンク教授と研究連絡を行い、次年度への準備を行った。さらに、この研究では形式的冪級数が不変量として登場し、オートマトンとの関連で、非常に面白い関係性が見つかった。自然数、整数、有理数、実数という数の階層と形式的冪級数の係数と文字列の性質と簡単なオートマトンとが、非常にシンプルな対応関係になっていることが判明した。この発見により、研究の一層の発展が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代数群に関しては、レミ教授(フランス)を訪ね研究連絡を行い、研究テーマの重要性や課題を確認し、次年度以降の研究に一定の目処がついた。リー環に関しては、分類論が順調に進んでおり、目標の達成が間近となっている。これは想定している計画よりも進展している。また、ニーブ教授(ドイツ)とも連絡を取り合い、最先端の研究に関する情報交換を行い、問題の掘り下げが進んだ。語と文字列に関する非周期構造に関しては、非常に面白い現象が確認された。数と文字列と不変量とオートマトンとが一体となった関係が見つかり、その数学的証明も明確になった。これは今後の進展に期待が持てる。また、バーケ教授(ドイツ)やケレンドンク教授(フランス)とも直接会い研究連絡を行うなど、周辺の問題との関連が明らかとなり、有益な情報を収集した。この様に、計画の初年度として、次年度に向けての準備を十分に実行することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
ドイツを訪問し、レーマン教授、バーケ教授(ともにビーレフェルト大学)、ポップ教授(マンハイム大学)、ニーブ教授(エルランゲン大学)等と研究連絡を行い、研究を一層推進させる。また、フランスを訪問し、レミ教授、ケレンドンク教授(ともにリヨン大学)等と研究連絡を行い、研究を一層発展させる。この様に国際的最先端の研究者と情報交換を密に行いながら問題点を掘り下げ、最新の技法を用いて理論を整備し、期待される定理や最前線の予想を証明する。さらに、ムーディ教授(ヴィクトリア大学)等を招聘して、研究連絡を行い、研究一層の進展を図るとともに、新たな視点により議論を展開し、研究課題の解決に寄与する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の購入物品の一部および出張旅費の一部は3月に納入、実施しているため、次年度の支払いとしている。次年度は数式処理のために高速パソコンの導入は不可欠である。また、海外渡航旅費や外国人招聘に係る謝金などの経費も必要である。さらに、研究に必要な文具など、研究課題の遂行に必要な物品を購入する。そして、研究発表に必要な国内旅費も支出予定である。なお、高額な備品の購入予定はない。
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