2011 Fiscal Year Research-status Report
非可換クレパント解消、オービフォールド・コホモロジーとマッカイ対応の一般化
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23540045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 由佳理 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (70285089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊山 修 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70347532)
長尾 健太郎 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助教 (10585574)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交流 |
Research Abstract |
本研究課題の研究の目的は、高次元の商特異点の特異点解消に関する研究であり、主として以下の3点に注目している:1.高次元のクレパントな特異点解消の存在の問題を, 非可換代数幾何学を用いて考える. 2.商特異点の特異点解消の位相不変量とオービフォールド・コホモロジーの環構造について詳しく調べる.3.2次元マッカイ対応の一般化として近年盛んに研究されている導来圏同値からは得られない特異点解消の幾何学であった.このうち, 高次元のクレパントな特異点解消に関しては, 研究代表者の伊藤 由佳理は研究協力者のAlvaro Nolla de Celis氏と連携研究者の石井亮氏と共同研究し,クイバーの表現のモジュライ空間を用いた特異点解消の構成に成功した.研究分担者の伊山修氏は,Auslander-Reiten理論における古典的な事実として, 単純特異点と,対応するDynkin箙の道多元環の間に, 三角圏同値が存在することを踏まえ,Amiot, Reitenとの共同研究で, これを体系的な枠組みで捉えなおし, ある種のCalabi-Yau多元環とその巾等元に付随するGorenstein環と有限次元多元環の間の圏同値として, 大幅に一般化することが出来た.また,研究分担者の長尾健太郎氏は,モチーフ的Donaldson-Thomas 不変量及び団代数の研究を行った.(1) A.Morrison 氏, S.Mozgovoy 氏及びB.Szendroi 氏との共同研究において,ある種の3次元Calabi-Yau多様体に対して,モチーフ的Donaldson-Thomas 不変量の明示的公式を発見した.(2) 寺嶋郁二氏及び山崎雅人氏との共同研究において,クラスター代数と3 次元双曲幾何の新しい関係を発見した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要に記述した通り、研究代表者をはじめ、研究分担者、連携研究者、研究協力者とともに、高次元のクレパントな特異点解消に関する研究成果をあげることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、同様のメンバーで、勉強会やセミナー、共同研究を続けていくつもりである.特に、平成23年度には、あまり多くの外国人研究者を日本に招聘することができなかったが、平成24年度にはできるだけ多くの研究者との交流の機会を増やしたい.また、名古屋大学大学院多元数理科学研究科にて、新たに環論的な視点、整数論的な視点を取り入れた、今までにない研究テーマを開発し、本研究課題の特異点解消やマッカイ対応の研究に役立てたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、5月はじめに、世界的なマッカイ対応関連の研究者たちを集め、名古屋大学大学院多元数理科学研究科にて、最新の研究成果や情報交換ができるような研究集会を開催する予定である.したがって、次年度の研究費の多くは、海外からの研究者招聘に当てられる.また、研究代表者および研究分担者の昨年度得られた研究成果の発表のため、国内外の研究集会や学会に参加し、成果発表する予定もある.
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Research Products
(39 results)