2011 Fiscal Year Research-status Report
広領域コホモロジー理論から展望する局所コホモロジー加群の性質に関する研究
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23540048
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
川崎 謙一郎 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (60288040)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 代数学 / 局所コホモロジー加群 / 余有限加群 / 双対性 / 自己準同型環 / 幾何学 / 数学教育 / モノミアル |
Research Abstract |
平成 23 年度は, I-余有限の加群の圏がいつアーベル圏になるかどうかという問題について, 幾ばくかの進展があった. 雑誌論文 (計 2 件) にある通り, 単項イデアルについての余有限加群の圏について結果が得られたので本年度の研究実績の概要として報告する. 平成 23 年度科学研究費助成事業 (学術研究助成基金助成金) 交付申請書に記載した本研究の主な目的であった「局所コホモロジー加群の移入的次元はその台の次元 +1 を越えない」という局所コホモロジー加群の移入的次元の精密化については, 今年度は進展がなかった. 一方で, フランス数学会所管の欧文誌に本年度の成果が掲載された (前回の科学研究費助成金による成果を部分的に含む). 2010 年掲載誌として掲載・発表されているが, Mon, 7 Nov. 2011 に査読を通した e-print 掲載決定の通知があった. 研究発表の欄の雑誌論文の欄に記入が不可であったので本研究実績の概要の欄に本年度の成果として報告する. 論文題目 `The category of cofinite modules for ideals of dimension one and codimension one', Ken-ichiroh Kawasaki 単著, Actes des rencontres du Centre international de recontres math'ematiques, Vol. 2, no 2 (2010), p. 123-126 (仏国), Proceedings of the Third International Meeting on Integer Valued Polynomials and Problems in Commutative Algebra.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の初年度にかかわらず, いくばくかではあるが進展があり, 概ね順調と自己評価できる. 以下の通り, 本研究途中経過的な内容であるが, 成果の発表をすることができたので記載する. 最近, 本研究に関わって局所コホモロジー加群の自己準同型環に関する結果が Lyubeznik 数と結びついた. その世界の最近の動向について, 2011年8月12日に岡山大学の談話会にて「局所コホモロジー加群の自己準同型環について」のタイトルで講演を行った. また, 2011年8月24日に本研究機関奈良教育大学 (以下, 本研究機関と略) にて行なった他分野への応用するための検討会にて教員養成学士課程教育「算数」の代数学的内容についての報告をおこなった. さらに, 「On the category of cofinite modules for ideals of dimension one and codimension one」 のタイトルで 2011年11月 1日に 京都大学数理解析研究所 (RIMS 共同研究) にて講演をおこなった. 本年度は本科学研究費助成研究期間初年度であり幾ばくかの成果であるが, 単項イデアルに関する余有限加群の圏についてのアーベル性が明らかにできた. その成果を 「On the category of cofinite modules for principal ideals」 という題目で 2011年11月6日に本研究機関での Workshop にて講演を行なった. さらに「単項イデアルに関する余有限加群の圏について」という演題で 2012年2月4日に本研究機関での Workshop にて講演を行なった. 最後に, 本年度おわり「単項イデアルの余有限加群の圏のアーベル性」という題目で日本数学会 (2012年3月26日) にて講演をおこなった.
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Strategy for Future Research Activity |
平成 23 年度終わりまでに, 本研究では単項イデアルや 1 次元のイデアル I に台を持つ余有限加群の圏 M(A, I)cof のアーベル性について解決できた. また, 最近, 二重局所コホモロジー加群の Matlis 双対が可換環の構造をもつことが発見された. 局所コホモロジー加群間の自己準同型環に関する結果であるが, これは Lyubeznik 数との関連性や閉空間 V(I_d) の連結性との関連も深いことが分かっている. 研究内容の今後の研究推進の方向性としてこれらの発展させることを考えて行きたい. また, 余有限加群の圏についてはその性質や構造の解明は今後の課題である. 具体的な例を構成することを常に念頭に置いて研究を遂行したい. また, 局所コホモロジー加群間の自己準同型環がネーター環になるかどうかという問題もあり, 今後その詳細の明らかにすることが期待されている. 正則局所環上の局所コホモロジー加群間の自己準同型環はネーター環であることは知られている. 正則性を外した条件下で, ネーター環でない反例を探しつつ, いつ局所コホモロジー加群間の自己準同型環がネーター環になるかという問題も視野にいれて具体例の計算も試みる予定である. 本年度 1月または 2月に奈良県にて全国規模の研究会を他研究機関の研究者と共同開催する予定である. そこで, 多くの研究者を招聘して研究交流を計る. 内容的には本研究と一見関係ないと考えられる研究も自由な発想から新しい知見が獲られる可能性があるので積極的に講演を募集したい. また, 本研究集会で本研究に関して関連研究者と情報交換を計る予定である. 全体的な今後の研究の推進方策として, 今年度は, 本研究に関わる幾何学的側面の研究の遂行および情報収集のため幾何学を専門とする花木良氏を研究分担者に加え試みをあらたに研究を遂行する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は奈良県にて全国規模の研究会を他研究機関の研究者と共同開催する予定である. 平成25年 1月または 2月に奈良市内にて開催予定であるが, 開催についてのその詳細は本年度本研究期間内で他研究機関の研究者と相談しながら詰めて行きたい. 概ね, 会場費, 研究者招聘のためまたは本研究代表者・分担者出張のための旅費, 研究会報告集作成費に本科学研究費からの支出を予定している. 不足する経費については, 他の資金をなんとか工面して運営を行う予定である. 以下に, その経費を含め, 本年度本科学研究費の使用計画を概算値にて記載する. 論文/書類整理用の文房具や研究会報告集作成費など物品費として \100,000 を計上した. 平成 24年度前期は本教育研究機関において学部改組が行なわれて初年度にあたり, 本研究代表者は多忙を極めるため, 夏季休業時以降後期に集中的に国内外に出張する予定である. 9月またはそれ以降に国外 (独国) の研究期間に出張する予定であるが受け入れ先の状況も鑑みて現在検討中である. 状況にあわせて旅費については使用するが, 予算の範囲内で行動できるように目的を絞って出張をする. また, 未定であるが, 情報を収集するために国内の研究者についても招聘する予定である. 以上をまとめて旅費を \1,046,912 計上している (昨年度繰越金を含む). 研究者に対して, 本研究代表者・分担者への情報提供のために謝金等として \50,000 を計上した. さらに学会参加費, 論文抜き刷り料として \50,000 を計上している. 場合によっては, 研究集会会場費としてそれを当てる可能性があることは述べておく. 足りない研究費は自費または別途予算を獲得していく. 最後に, 研究分担者に \100,000 分担金として計上している. 上記の金額はそれを含めている.
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 単項イデアルに関する余有限加群の圏について2012
Author(s)
川崎 謙一郎 (奈良教育大), 重光裕至 (奈良教育大)
Organizer
Workshop on Commutative Algebra 2012 in Nara University of Education ~ Cohomology theory and Related topics ~
Place of Presentation
奈良教育大学 新館 2 号棟 R5-212
Year and Date
2012 年 2 月 4 日 (土)
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