2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540089
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清原 一吉 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80153245)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | h-射影同値 ドイツ、米国 |
Research Abstract |
当該年度の研究実施計画は次のようなものであった。1. 楕円体を含む、ある種のLiouville多様体の一般点の共役跡の特異点集合の様子および全体の形状について調べる。さらにノンコンパクトなLiouville多様体のカットローカスおよび共役跡について調べる。2. Liouville曲面について、ラプラス作用素の固有値分布の構造に対する(特異)半古典近似の方法についての過去の研究(清原、リウヴィル曲面における半古典近似、数理研講究録No.1119 (1999), 35--47)を整理し、必要ならColin de Verdi\`ereらの新たな観点(フーリエ積分作用素を用いる)からの再記述を試みる。(ただ、従来の特殊関数を使った記述の方が優れている可能性もある。)これを高次元化のためのステップとする。3. Hermite-Liouville多様体の理論を研究する。まず複素射影空間上に構成した大域例をモデルにして、この部分での完全な分類を目指す。また、K\"ahler-Liouville多様体の大域的構造理論を参考にしつつ、コンパクトな場合の大域的構造を調べ、その結果を局所構造の分類結果と比較検討する。これに対し、1については、高次元のLiouville多様体の一般点の共役跡の特異点集合の様子についての論文をまとめつつあるが、まだ未解決の部分が残っている。また、楕円面の場合の一般化としての「糸による構成」についての論文がまとまりつつある。これは1と関連する、測地線の大域的挙動の別の側面を記述するものである。2については特に進展無し。3については、「h-射影同値」の概念を足がかりにして、Hermite-Liouville多様体のある種の分類が進みつつあるが、未だ未解決の部分が残っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に書いた通り、3つのトピックスのうち2つについては順調に進んでいる。もう1つについては、まとまった時間を取る必要があり、今後の進展を期待している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に書いた通り、3つのトピックスのうち2つについては順調に進んでいるので、その方向で研究を進めて問題ないと考える。もう1つについては、まとまった時間を取る必要があり、他の2つとの兼ね合いで、様子を見ながら進めたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
6月下旬にドイツで「h-射影同値」に関する小研究会が開かれるので、それに参加する。また国内のいくつかの研究集会、学会に参加し、研究課題の進展を目指す。また、いくらかの幾何学関係図書を購入予定である。
|