2012 Fiscal Year Research-status Report
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23540089
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
清原 一吉 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80153245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 仁一 熊本大学, 教育学部, 教授 (20193493)
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Keywords | 楕円体 / 共役跡 / ラグランジュ特異点 / カスプ辺 / 単純特異点 / リウヴィル多様体 |
Research Abstract |
この研究は平成23年度から3年間の予定の研究計画の2年目である。当初の予定において3つの主要な研究課題を定め、1年目の進行具合を見て2年目の重点の置き方を定めることになっていた: 1. 楕円体を含む、ある種のLiouville多様体の一般点の共役跡の特異点集合の様子および全体の形状についての研究。 2. Liouville曲面について、ラプラス作用素の固有値分布の構造に対する(特異)半古典近似の手法による研究。 3. Hermite-Liouville多様体の理論を研究。特に複素射影空間上に構成したものの分類。 これらのうち2年目である今年度においては、1の楕円体およびある種のLiouville多様体の一般点の共役跡の特異点集合について、ほぼ完全に解明することができた。具体的には特異点集合の主要な部分は cuspidal edge であり、その境界であり、また第2共役跡と分岐する所はアーノルドの意味での D_4+-edge になっていることがわかった。前者は2次元の場合の “Jacobi’s last geometric statement” の高次元版であり、後者は3次元以上で初めて現れる現象である。ここに D_4+ という単純ラグランジュ特異点が現れる事は興味深い事実であるし、また、実際に共役跡がここまで深く解析される事はなかったと思われるので、特異点論の見地からも意義のある結果だと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定したすべての項目が順調に進展しているわけではないが、一部において十分満足すべき結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
先ずは今年度の結果を論文にまとめる事が重要である。それにはある程度の時間がかかる。次に上記の3の問題が、方向のめどがついているので、取り組みたい。2の問題は難しいが、今後の指針となる結果を得たい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
7月に予定しているマルセイユでの研究集会への参加を始め、国内のいくつかの研究集会に参加し、出席者と意見交換をする。そのための旅費が主である。他に幾何学関係図書購入と論文作成のためスキャナーの購入を予定している。
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