2011 Fiscal Year Research-status Report
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23540146
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤田 景子 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (40274568)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 逆問題 / 信号源分離 |
Research Abstract |
7月にポーランドのヤゲロニアン大学で開催された多変数関数論の国際会議に参加して研究発表を行った。講演のタイトルは"An application of a quotient function in the time-frequency space"としたが、関数論の研究集会ということで、研究発表は理論に重点をおいた話題で準備をして講演をした。その後、議事録としての論文集の発行が企画されたので、原稿を書き始めたが、関数論の話を中心にしてまとめようとしたところ、工学系の研究者にはどうでもよいような色々と細かいことが気になり始めうまくまとめることができなかった。議事録には原稿を残すことができなかったが、今後のために原稿はまとめておいた。また、8月にはロシアのFriendship University で開催された第8回 ISAAC 国際会議にも参加し"Integral transforms and reproducing kernels"のセッションで "On blind source separation problem in time-frequency space"の題で研究発表を行った。こちらの議事録にはサーベイとして投稿したが、ロシアのお国柄、実際に出版されるのか否かは不明である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要にも記載したように、工学系の研究者達にとっては気にもならないような色々と細かいことが気になり始めた。そのため、理論面を厳密にすることを考えていたので、応用を視野に入れた研究が進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ウェーブレット変換などにより時間周波数情報を利用して信号源分離を行う際に重要な過程は、信号源の数を推定することである。我々が信号源の数の推定に用いる手法は、観測信号を時間周波数空間に変換して2つの観測信号から得られた時間周波数情報の比を考えることであった。しかし、この方法では信号源が沢山ある状況ではあまり有効でないと考えられる。そこで、信号源の数がそれほど多くない場合で応用が可能な状況を想定して考えることにする。また、これまでは、ウエーブレット変換を利用することを想定して自乗可積分関数や連続関数で考えいたが、より一般の関数に対して作用させることのできる積分変換を視野に入れて考察することにする。考察する数理モデルは応用が可能なように、観測信号が時間遅れ、エコー、雑音など様々な要因の影響を受けていることを想定したもので考える。その数理モデルにおいて、時間遅れや雑音といった要因の影響をすべて取り出した場合で信号源の数が明確に特定できる自明な場合も考える。そうして得られた2つの結果(一般の場合の結果と自明な場合の結果)の誤差をできるだけ精密に評価する。そして、その誤差評価をもとに誤差がなるべく小さくなるように信号源を時間周波数空間に移す積分変換を考える。適当な変換の候補が見つかればいくつかの数値実験を連携協力者の守本晃の協力を得て行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費:研究発表や情報収集のために以下にあげる研究集会をはじめとした研究集会に参加するための旅費に使用する。7月15日から17日まで西安のシェラトンホテルで開催される International Conference on Wavelet Analysis and Pattern Recognition、工学院大学の新宿キャンパスで7月24、25日に開催される第40回可視化情報シンポジウム、稚内の全日空ホテルで8月28日から9月1日に開催される応用数理学会、京都大学数理解析研究所で9月10、11日に開催される共同研究「ウェーブレット解析とサンプリング理論」、九州大学伊都キャンパスで9月18-21日に開催される日本数学会、豊橋技術科学大学で毎年秋に開催されている「ウェーブレット変換およびその応用に関するワークショップ」、東洋大学工学部で3月に開催される応用数理学会、京都大学で3月に開催される日本数学会、不定期に開催されるウエーブレット研究セミナー、4月現在で参加を予定している研究集会でこの他にも今後研究集会の情報が入れば参加したいと考えている。会議参加費等:研究集会への参加には会議参加登録費が結構かかるようになったので会議参加費が必要となる。消耗品費:研究関連図書、データ保存のためのメモリー、コンピューター関連のソフトなどを購入する。その他、論文投稿費や別刷り費用などの経費も必要である。
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Research Products
(2 results)