2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540153
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
SISI 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (70269687)
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Keywords | ホワイトノイズ / 新ノイズ / 安定過程 / 重複度 / ポアソン型 |
Research Abstract |
本研究の課題について、これまで3年間継続して研究を続けてきたが、この目的は略達成できたと考える。それについて理論的な成果および応用を報告するが、さらに、この研究段階において、ノイズに関連して極めて重要な新事実をみつけたことを特記して簡単にその内容を報告したい。 ノイズは独立確率変数のシステムで、従来は時間のパラメータを持つ場合が研究されてきたが、空間のパラメータを持つ独立確率変数の場合もまた重要であることを指摘し、新しいノイズとして位置づけた。その確率分布が超関数空間上の確率測度であることから、そのノイズの汎関数、特に線形汎関数を考察してきた。安定過程はそのような汎関数の特別な場合であること、およびその測度の dilation による擬不変性を用いて特性を考察してきた。数理統計学への応用として、ベキ分布の処理などがある。これらの成果は論文、あるいは学会発表として公表してきた。 このような研究の過程で、新たに気づいた一つの視点がある。空間パラメータの場合も、時間のときと同様に、線形順序集合であるパラメータ空間にしたがう確率変数の系で、空間の微小変化のもたらす変化が、それ以前とは独立であるようなものを考えることができる。時間のパラメータのときの加法過程の類似である。それは類似である以上の性質、とくに確率分布がポアソン型であることも考慮した新しい特性を見出すことができた。 パラメータをポアソン分布の強度としたとき、適当なヒルベルト空間を構成して、強度に依存した射影作用素の系による単位の分解が構成できる。この事実を用いて巡回部分空間の個数、すなわち「重複度」が定義できた。これは、そのランダムな系の複雑さの程度を表すものである。この結果の応用は、従来のレヴィ過程の分解、それは素なものに分解する方法に対し一つの重要なコメントを与えることができた。
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Research Products
(8 results)