2011 Fiscal Year Research-status Report
1変数ベキ級数の関係式と空間曲線の反復積分によるコーディング
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23540236
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中居 功 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (90207704)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 特異点 / センター問題 |
Research Abstract |
メキシコ、グアナファト CIMAT 研究所でおこなわれた葉層の研究集会に参加し、複素力学系の研究について情報収集した。2011年度はじめに、特異写像のファイバーの上に作用する、通常の方法では捉えられることのできない多価の力学系の構造を発見し、これについて9月、スペイン、トルデシアスでの特異点の研究集会で、また12月には京都大学数理解析研究所で開かれた特異点論研究集会で発表した。この成果の一部を成すWEB構造に関する部分は論文にまとめられ、公表にむけて雑誌に投稿中である。また、昨年11月にレンヌ大学(フランス)で開かれたWEB幾何学の国際研究集会でもこの成果を発表した。1変数多価力学の構造はその関数要素からなる語の問題と等価であり、一般の語の関係式を探すセンター問題についての実験の場を与えている。12月にオルセー大学のDeroin教授を招き、この問題について議論をした。この問題の研究から語の問題の進展への新しい発想による貢献が期待される。本研究課題のなかの1変数複素解析同相の関係式については、計算機を用いた解析同相の語のテイラー係数の直接計算により、語の構成文字の生成する可換化されたケーリーグラフのなかに語が定めるパスのモーメント等の幾何量によるテイラー係数の表現を与えた2010年の柳井佳奈との共同研究の結果の正当性を追認し、関係式を持つ様々なテイラー級数の組を作ることができたが、それらの収束性の判定にはまだ至っていない。一方でまた、ランダムな語やパスのモーメントからランダム語やランダム1変数常微分方程式の積分のテイラー級数を求めるについての研究の準備段階として、GPGPUによる並列計算の環境を整えつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ハードウェアに関係する技術面では、複数の計算用グラフィックボード(GPU) を搭載したLInux ワークステーション上のMathematica を使った実験で、CUDA を用いたプログラムに問題が発生し、本来の性能を発揮できていない。この問題をウルフラム社に照会中であるが、まだ回答をもらっていない。本研究課題の中心的問題の理論面からの研究の可能性は開かれており、CUDAのバージョンアップ等を待つ間、それに専念すべきであるが、昨年春から夏にかけて、3次の写像位相構造につき新たな発見があり、その結果をまとめることに時間を割いた事も一因である。
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Strategy for Future Research Activity |
常微分方程式のセンター問題を理論面から攻撃する。ワークステーションのCUDA 環境を整えつつ、実験的にCUDA プログラム等の並列プログラムを作成し、複数GPUカーネル、または多数のCPU 計算カーネルを用いて常微分方程式の解の考察をする。レンヌ大学で開かれる、複素力学系の研究集会で研究発表を行うとともに、多くのこの問題の専門家との研究討論をし、情報収集する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フランス、レンヌ大学で開かれる葉層の研究集会で研究成果を発表するための旅費に充てる。可能な範囲で、ワークステーション上のMathematica のライセンス数の購入をする。ワークステーションの周辺機器を購入する。研究図書の購入する。研究資料の整理をする。
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Research Products
(2 results)