2012 Fiscal Year Research-status Report
Flavor Structure in String Theory
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23540286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川野 輝彦 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20292831)
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Keywords | String Theory / F-Theory / コンパクト化 |
Research Abstract |
F-Theoryのコンパクト化において7ブレインのWorldvolume理論がGUT理論のゲージ場などを与えるが、クォークやレプトンなどの物質場(Charged Matter)は7ブレインの交差しているところに局在している。それゆえ、これらの局在している物質場の理解を深めることが非常に重要であり、それらの湯川相互作用はフレーバー構造を理解する上で根幹をなす。 物理的な湯川結合定数を求めるためには、それぞれの場の運動項を計算する必要があるが、今の場合には超対称性をもつ大統一理論を考えているので、いわゆる、D-termを計算しなくてはならない。ブレインの交線に局在するクォークやレプトンを含む物質場のD-termをこれまできちんと計算されたことはなかった。 そこで、去年度には、土屋氏と渡利氏との共同で、Charged Matterの運動項がGUT群が存在する7-brane上全体の積分で与えられるのではなく、その交差している複素曲線上に局所化した積分で与えられることを明らかにした。しかしながら、この積分をもっと具体的な形で評価できるまでには至らなかった。 今年度は、このようなD-termを具体的な形で得られる可能性を求めて、最近活発に研究されてきている「局所化」という手法について研究を進めた。まだ、初歩的な段階にあるため、もっと広い意味での場の理論で、F-Theoryのコンパクト化において7ブレインのWorldvolume理論に似たようなコンパクト化を行った状況で、「局所化」について調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「局所化」手法自体の研究はかなり進展があり、今年度の研究でも興味深い結果が得られたが、弦理論のコンパクト化におけるD-termを求める手法としての応用方法を更に開発する必要がある。現在、いくつかのヒントを与えそうな研究結果が報告されているので、これを基に、更なる研究を進めてゆきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
F-Theoryのコンパクト化におけるD-termについて、Kahler potentialの高次の項まで計算することは、soft SUSY breaking termに直接繋がり、超対称性の破れの問題とそのFCNCなどのフレーバー問題が密接に関係する非常に重要な計算となり、F-theoryのコンパクト化がこれらの項に対してどのような結論を持つかについても興味深いがまだきちんと議論されていない。また、一般に、弦理論のコンパクト化を用いた現象論的な超対称性を持つモデルづくりにおいても言えることだが、このD-termを求めることは困難な問題である。このような問題に、今年度に研究してきた「局所化」の手法が活かせる可能性を検討したい。この手法は、基本弦の2次元面上の理論に適用できることが最近の研究で明らかにされた。これは、ある種のコンパクト化のD-termを求めることができることを意味している。しかしながら、F-Theoryには、このままでは応用できるわけではないので、更なる研究を推進する必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
局所化など手法が最近活発に研究されてきており、更なる情報収集が今研究課題を推進する意味で大変重要な意味を持つため、研究打ち合わせや研究交流などに重点をおいて使用する予定である。
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Research Products
(3 results)