2013 Fiscal Year Research-status Report
Flavor Structure in String Theory
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23540286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川野 輝彦 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20292831)
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Keywords | String Theory / F-Theory / コンパクト化 |
Research Abstract |
F-Theoryのコンパクト化において7ブレインのWorldvolume理論がGUT理論のゲージ場などを与えるが、クォークやレプトンなどのCharged Matterは7ブレインの交差しているところに局在している。それゆえ、これらの局在している物質場の理解を深めることが非常に重要であり、それらの湯川相互作用はフレーバー構造を理解する上で根幹をなす。物理的な湯川結合定数を求めるためには、場の3点相互作用を計算するだけでは十分ではなく、その場の運動項を計算する必要があるが、今の場合には超対称性をもつ大統一理論を考えているので、いわゆる、D-termを計算しなくてはならない。ブレインの交線に局在するクォークやレプトンを含む物質場のD-termをこれまできちんと計算されたことはなかった。そこで、土屋氏と渡利氏と共同で、これらの運動項を解析して調べた。その結果Charged Matterの運動項がGUT群が存在する7-brane上全体の積分で与えられるのではなく、その交差している複素曲線上の積分に「局所化」した形で与えられることを明らかにした。しかしながら、この積分をもっと具体的な形で評価できるまでには至らなかった。昨年度は、このようなD-termを具体的な形で評価する可能性を求めて、最近活発に研究されている「局所化」という手法について研究を進めた。まだ、具体的なF-theoryへの応用には至っていないが、M-brain上の理論を時間方向にコンパクト化した理論として5次元Yang-Mills理論を3次元球面と2次元リーマン面にコンパクト化した後、「局所化」を使って分配関数を具体的に求めることに成功した。今年度は、この3次元球面をsquashしたもののコンパクト化を試みて、「局所化」の手法を使って一部計算に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「局所化」手法自体の研究はかなり進展があり、今課題の研究でも興味深い結果が得られたが、これらの結果をさらに進めようという方針で去年度の研究を推進してきたが、想像していた以上に、設定した問題が複雑だったことと計算が非常に煩雑であったために、想定していた時間を大幅に超えて費やしてしまった。今年度は、まずこれらの結果をまとめて、弦理論のコンパクト化におけるD-termを求める手法を開発する方向で更なる研究を進めてゆきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
F-Theoryのコンパクト化におけるD-termについて、Kahler potentialの高次の項まで計算することは、soft SUSY breaking termに直接繋がり、超対称性の破れの問題とそのFCNCなどのフレーバー問題が密接に関係する非常に重要な計算となり、F-theoryのコンパクト 化がこれらの項に対してどのような結論を持つかについても興味深いがまだきちんと議論されていない。また、一般に、弦理論のコンパクト化を用いた現象論的な超対称性を持つモデルづくりにおいても言えることだが、このD-termを求めることは困難な問題である。 このような問題に、24・25年度に研究してきた「局所化」の手法が活かせる可能性を検討したい。この手法は、基本弦の2次元面上の理論に適用できることが最近の研究で明らかにされた。これは、ある種のコンパクト化のD-termを求めることができることを意味している。しかしながら、F-Theoryには、このままでは応用できるわけではないので、更なる研究を推進する必要がある。去年度の研究は想定以上に時間を費やしてしまったが、今課題研究をする上での全体的な方針自体には変更なく邁進したいと考えている。
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