2013 Fiscal Year Annual Research Report
超新星元素合成とニュートリノ観測から見る超新星ニュートリノ自己相互作用の効果
Project/Area Number |
23540287
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 敬 京都大学, 基礎物理学研究所, 特定研究員 (80374891)
|
Keywords | 超新星 / ニュートリノ / 元素合成 / 大質量星 |
Research Abstract |
本年度は鉛を超える重元素まで計算できるようにr-processの核反応ネットワークを拡張しニュートリノ駆動風におけるr-process元素合成の計算を行った.そしてN=126核種のベータ崩壊の値に対する重元素組成の影響を調べ,ベータ崩壊値を改良するとウランなどの長寿命核種の生成量が増加し得ることがわかった.また,巨大質量星が進化した極超新星が形成する原始中性子星からのニュートリノ駆動風におけるνp-processの元素合成についても調べた. 昨年度,巨大質量星の進化した非球対称爆発の極超新星における56Niの生成量について調べ,超高輝度超新星であるSN 2007biの観測を再現する56Niの生成量を再現するのは難しいという結論を得た.しかし,本年度により現実的な超新星の初期条件を用いることで非球対称爆発の極超新星でもSN 2007biの観測を再現する56Niの生成量を得ることができた.また,重力崩壊型超新星となる下限に近い星の進化を重力崩壊直前まで計算することに成功した. 本研究ではr-processやνp-processなど重元素合成に関するネットワークの拡張やニュートリノ駆動風におけるこれら重元素合成の計算を行い,r-processのベータ崩壊率に対する依存性や極超新星のニュートリノ駆動風におけるνp-processについて調べた.しかしニュートリノ自己相互作用については動径方向近似での計算は可能となったが角度依存性の導入や最終的な定式化には至らなかった.そのため今後も研究を継続していきたい.超新星元素合成についてはニュートリノ元素合成で作られるフッ素の銀河化学進化や超巨大質量星を起源とする極超新星における元素合成の特徴を明らかにした.
|
Research Products
(8 results)