2013 Fiscal Year Annual Research Report
磁場を持つ高密度天体の平衡・準平衡解計算法の総合的開発と重力波天文学への応用
Project/Area Number |
23540314
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
瓜生 康史 琉球大学, 理学部, 教授 (40457693)
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Keywords | 相対論・重力(理論) / 重力波 / 相対論的宇宙物理学 / 数値相対論 / 相対論的回転星 / 連星中性子星 / 国際研究者交流 アメリカ合衆国 / 国際情報交換 フランス:ギリシャ:ドイツ:英国 |
Research Abstract |
本研究課題では,高密度天体の平衡・準平衡解計算コードCOCAL(Compact Object CALculator)を開発している。本年度前半の研究で,COCALの基本的なコードである相対論的高速回転星計算コードの精度の向上を行った。剛体回転及び差動回転する相対論的な星の初期データを共形平坦な3次元超曲面上で数値計算し,ビリアル定理等を用いてこの数値解の解像度に対する収束性を評価した。また,複数の方法で質量や角運動量を計算し,コードが矛盾のない結果を与えることを確認することで,コードの修正と改良を行った。このような改良は,今後の中性子星を含む連星系計算コードの開発や,磁場を持つ高速回転星の数値解の精度向上のために必要なステップである。本年度の後半ではフランクフルト大のAntonios Tsokaros氏と協力し,連星中性子星計算コードの開発に着手した。これまでに,中性子星の自転が軌道回転と同期している初期データを計算するコードを開発し,得られた解と先行研究の結果との比較・較正を行っている。これらの回転星と連星の基本的な計算コードのテストについての結果を論文にまとめる予定である。また,これらの研究と並行して前年度に開発した計算コードを用い,ポロイダル磁場とトロイダル磁場両方の最大値が10の17乗ガウスを超える超強磁場を伴う相対論的回転星の数値解を計算した。この結果をまとめた論文(パリ天文台のEric Gourgoulhon 氏,サウサンプトン大学研究員のCharalampos Markakis氏,東大の江里口良治氏,藤澤幸太郎氏らとの共著)を現在投稿中である。将来は本研究課題の1,2年度目に開発したブラックホールの計算コードと上述の中性子星の計算コードを組み合わせてブラックホール-中性子星連星の計算コード開発等に取り組んでいきたい。
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