2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540382
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
安居院 あかね 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門・量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (20360406)
|
Keywords | 光物性 / 非局所発光 / 光学過程 / モデル計算 / 軟エックス線発光 / 遷移金属酸化物 / マルチフェロイック / 放射光 |
Research Abstract |
本研究は、電荷秩序系物質の軟X線発光過程に現れる非局所発光過程を実証し、軟X線発光の新しい過程を明らかにするものである。具体的には、電荷秩序相でFeがFe2+とFe3+になるLuFe2O4のFe3d-2p発光分光スペクトルを測定しFe2+とFe3+による非局所発光の過程を検証した。LuFe2O4は六方晶構造をとり、T<Tco=320KでFe2+とFe3+がab面内で電荷秩序配列、T>Tcoでは無秩序になっている。Fe3d-2p発光分光スペクトルの温度依存性を測定することで、電荷秩序状態の有無によるスペクトル変化を観測した。また偏光依存性から、その対称性を検証した。 H23年度は高温実験のために加熱用サンプルモジュールを製作した。また、非局所発光過程をモデル計算用のワークステーションの整備した。H24年度は電荷秩序の有無によるFe3d-2p発光分光スペクトルの変化を調べるために、Tco前後でFe3d-2p発光分光スペクトルを測定した。測定は単結晶試料を用い、励起光の偏光を結晶のc軸に対して水平、垂直になるように切り替えた偏光依存性測定も合わせて行った。Fe3d-Fe3d励起と考えられる構造に変化が見られた。弾性散乱ピークの寄与の除去などを考慮して解析を進めている。さらに、YbFe2O4、YbFeMgO4などの置換試料の測定も行った。H25年度は実験結果のまとめ及び、H23年度に整備したワークステーションを用い、マルチプレット計算を行った。実験結果、計算結果を合わせて論文執筆を進めた。
|
Research Products
(8 results)