2013 Fiscal Year Annual Research Report
自己駆動する境界運動と流れの相互作用による推進・輸送現象の解明
Project/Area Number |
23540433
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
飯間 信 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90312412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中垣 俊之 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70300887)
郡 宏 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (80435974)
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Keywords | 生物流体 |
Research Abstract |
粘菌内の流動モデルとして与えられた境界運動の元での化学物質の輸送を考える.化学物質の輸送を促す蠕動運動の起源として,境界近傍での化学物質勾配がゼロでない可能性が考えられるため,各部位での振動位相勾配が境界で非ゼロの場合についてモデルを作り,1次元モデルについて理論解析,2次元モデルについて数値計算を行った. 1次元モデルにおいて有界領域を設定し,両端での位相勾配を与えた場合に同期状態の分類を行い,同期振動数と自然振動数の違いを境界条件により分類した.このモデルについて粘菌の微小変形体における特徴的な蠕動運動の実験結果を定性的に再現することが可能かどうか検討した.その結果,tan 型と分類されるタイプの解は尾部に対応する部分で位相勾配が大きくその他でほぼ同位相となる蠕動運動パターンを再現することがわかった.境界での位相勾配と化学物質の濃度変化の関係を明確にすること,仮にこのモデルが妥当である場合,流体力学的効果が無視できなくなるサイズと変形体の特性の変化を明らかにすることは今後の課題である.2次元モデルにおいては微小変形体を模して円と長方形を組み合わせたおたまじゃくし型の領域を設定し,数値モデルを設定して計算した所,蠕動運動に近い位相波を形成させることに成功した. 生物流体における同期および関連する研究の調査および情報交換を行うために研究集会「流体力学における流れ構造の解析と役割」を企画し,京都大学数理解析研究所で開催した.約50名の研究者に参加していただいた.その成果を講究録として2014年度に出版予定である.
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Research Products
(2 results)