2013 Fiscal Year Research-status Report
有限要素法によるポーラス・コロイドフォトニック構造の特性解析
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23540436
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
植田 毅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30251185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 雅留太 信州大学, 工学部, 助教 (90569344)
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Keywords | ルリビタキ / 泡モデル / 構造色 / 有限要素法 / ポーラスフォトニック結晶 / 反射スペクトル |
Research Abstract |
カワセミの羽毛のどの部分が構造色を呈しているのか実験的に確認が取れていなかった。そこで、実験グループに網目構造が構造色を呈していることをカラー画像で確認してもらい、当初のモデルが有効であることが確認できた。現在、実寸での解析モデルを作るためにその構造の寸法測定を依頼している。 実験グループからルリビタキと言う青い鳥も羽枝の断面構造がポーラスな構造で構造色を呈しているが、カワセミのように3次元的ではなく、2次元的であるので解析が容易ではないかとの提案があり、モデルの有効性の確認を兼ねて、ルリビタキの構造色を先に解析することとした。羽枝の断面図のSEM, TEM画像から本研究計画で提案の泡モデルにより、3本スポークのホイールに小さなランダムな半径のエアーロッドがランダムな位置に貫通している2次元モデル構築した。まず、どの構造が発色に影響しているのかを確認するため、ポーラスな平板の反射特性の数値解析行い、以下の結果を得た。ポーラスフォトニック結晶のように周期的な場合には構造色は説明できず、位置の乱雑さにより、反射スペクトルが大きく変わり構造色が説明できることを示した。また、入射角度が浅くなると、反射スペクトルのピークがなだらかになり、バックグラウンドを形成することも見出した。これを踏まえ、ホイールモデル全体の反射スペクトルの解析を行い、バックグラウンドも含めて再現されることを示した。 平板モデルの結果は「ランダム・ポーラスフォトニック結晶の構造色解析」と題し、日本物理学会 第69回年次大会匂いて発表した。また、2014年5月に開催されるthe 5th International Conference on Metamaterials, Photonic Crystals and Plasmonicsにおける発表が受理されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では3次元網目構造のカワセミの反射スペクトルのみを計算する予定であったが、実験的測定が進んでいる2次元的構造のルリビタキの構造色でモデルの検証を行ったため、カワセミの計算にまだ取り掛かれていない。しかし、モデルの有効性の検証が行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者である藤井が、2次元的ポーラス構造であるルリビタキの計算について、まだ十分なサンプル数が確保できていないので、半径の乱雑さ、位置の乱雑さ、両方を導入した場合の統計平均をとるための計算を行う。このとき、データ量が増えるため、当初計画通りファイルサーバーを導入する。 同時に、植田はルリビタキの測定データを解析し、3次元網目構造を再現するためのパラメータを決定し、計算可能なモデルを構築し、反射スペクトルの解析を実行する。 2014年5月に開催されるthe 5th International Conference on Metamaterials, Photonic Crystals and Plasmonicsにおいて``Numerical study on the structural color of blue birds by a disordered porous photonic crystal model''と題してこれまでの研究成果を発表する。また、8月25-30日にコペンハーゲンで開催される8th International Congresson Advanced Electromagnetic Materials in Microwaves and Optics-Metamaterialsにおいて``Numericalanalysisforreflectancepropertiesofbird-featherfibers''と題して講演する予定である。 当初計画にあった誘電体球のコロイドの光学特性の解析については、解析的に検討した結果、誘電体球の動きが当初見積もりより遅く、発光、光の増幅などは期待できず、所謂、チンダル現象を再現するに過ぎない見込みとなったため、これ以上の遂行は断念する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度において、3次元系用有限要素法のプラグラムを完成させ、同時に実測データに基づいたカワセミの計算モデルを構築し、計算を実行している予定であったが、カワセミの実測が間に合っていないため、数値解析が2014年度にずれ込んだため、ファイルサーバーの導入の必要がなかった。 また、謝金については、藤井雅留太が研究分担者となったこと、実験グループの一部の方々が共同研究と言うことで謝金を辞退されたため使用額が減少した。 204年度ではルリビタキの統計平均をとるために多数のサンプルの計算を実行すること、カワセミの計算を実行するため発生データの量が多くなるためファイルサーバーを導入する。 また、現在、2次元モデルで有限要素法で用いているメッシュ分割ソフトウェアでも容量が多すぎ系全体のメッシュ分割が不可能な状態であるので、状況改善に有効なソフトウェアがあれば購入する予定である。
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Research Products
(2 results)