2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540477
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松山 明彦 九州工業大学, 情報工学研究院, 准教授 (60252342)
|
Keywords | 液晶 / 二軸ネマチック液晶 / ネマチック液晶 / 液晶ゲル / 高分子液晶 |
Research Abstract |
本研究は,カーボンナノチューブなど長い棒状分子と低分子液晶分子の混合系や液晶ゲルで起こる,2 軸ネマチック相や2 軸スメクチック相などの新規な液晶構造と相分離について解明することを目的とする。バナナ型や板状型のサーモトロッピック液晶系で2 軸ネマチック相などは議論されているが,棒状分子と液晶分子の混合系での2 軸性はこれまで議論されていない。本研究は,軸対称性しか持たない2つの長さの異なる棒状分子の混合系における,新しい2 軸液晶相の可能性を初めて示すものであり,得られる結果は,材料分野や電気光学分野できわめて重要となる。 本年度は、研究計画に沿って、側鎖と主鎖に棒状分子をもつ2軸性のネマチックエラストマーの体積相転移の理論の構築と、温度や分子の構造による体積相転移の理論的予測を行なった。等方相から、一軸ネマチック相、二軸ネマチック相への相転移を理論的に予測した。研究成果は学術雑誌Phys. Rev Eに掲載した。 さらに、側鎖型液晶高分子がつくる新規な二軸ネマチック相の理論駅予測も行なった。また、電場や磁場に寄る棒状分子の配向制御と新規なネマチック相についても理論的に予測した。これらの研究成果は学術雑誌 J. Chem. Phys.に掲載した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この基盤研究の3年間では, (1)棒状分子と液晶分子の混合系における2軸ネマチック相、 (2) 棒状分子と液晶分子の混合系における2軸スメクチック相、 (3)液晶ゲルにおける2軸液晶相と体積相転移、 について2軸液晶相の分散安定性と,それに伴う相分離やゲルの体積相転移について明らかにすることを目的とした。現在までのところ、少し順番は前後するが、(1)(3)については計画通り研究は進展している。関係するの論文を6本学術雑誌に掲載した。 現在、(2)の二軸スメクチック相の計算を行なっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が本研究課題の最終年度である。研究計画に従って、二軸スメクチック相の相図の計算を行なう予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用が発生した理由:研究代表者(松山)の計算ミスで24000円あまりが未使用となって残った。この残り額はハードディスク(消耗品)等に使用する予定である。 物品費に関しては数値計算用のワークステーション1台を予定している。旅費はイタリアへの国際会議出席と、国内会議への出席の旅費を予定している。
|