2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540521
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
片岡 龍峰 東京工業大学, 理工学研究科, 特任助教 (90462671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 達彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究主幹 (30354707)
塩田 大幸 独立行政法人理化学研究所, 計算宇宙物理研究室, 基礎科学特別研究員 (90462192)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 宇宙天気予報 |
Research Abstract |
太陽の爆発現象から地球に向かって放出される高エネルギー粒子(SEP)の影響は、最大規模のもので航空機パイロットの1年間の被ばく線量限度と同程度なため、宇宙天気予報でも最重要課題として知られている。しかしながら、大規模な SEP を引き起こすコロナ衝撃波の再現が困難なため、これまで SEP 被ばくの定量的な予測は困難とされてきた。本研究では、コロナ衝撃波の発展を定量的に解く太陽コロナと太陽風の磁気流体シミュレーションに、第一原理的な空気シャワーのシミュレーションを組み合わせることで、SEP被ばくを定量的に予測することを目的とする。平成23年度は、1) 太陽リアルタイムデータを入力としてコロナ衝撃波パラメタを決定する(塩田)、2) コロナ衝撃波パラメタを入力として地球での SEP スペクトルを求める(片岡)、3) 地球での SEPスペクトルを入力として大気圏内の被ばく線量を計算する(佐藤)という3つの項目に関して、それぞれ3名が中心となり並行して研究を進めてきた結果、初期結果を出す段階に至り、今後の課題が明らかになった。1)と2)については、実用に耐えうるプロトタイプを作るための研究を発展させる必要がある。2011年5月の日本地球科学連合大会では「太陽被ばくセッション」を国内で初めて開催し、パイロットも交えて全日本で協力して取り組む可能性について議論した(Kataoka et al., 2011, Space Weather)。国際的には、世界中の異なるモデルで、あるSEPイベントの被ばく量を推定し、その結果を比較する試みに参加し、我々の計算結果は比較的中間的な値を出すということが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、1) 太陽リアルタイムデータを入力としてコロナ衝撃波パラメタを決定する(塩田)、2) コロナ衝撃波パラメタを入力として地球での SEP スペクトルを求める(片岡)、3) 地球での SEPスペクトルを入力として大気圏内の被ばく線量を計算する(佐藤)という3つの項目に関して、それぞれ3名が中心となり並行して研究を進めてきた結果、初期結果を出す段階に至り、今後の課題が明らかになった。3)については目標を達成しており、1)と2)については実用に耐えうるプロトタイプを作るために今後も継続して研究する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度はSEP予報システムのプロトタイプ完成を目指し、平成25年度では高精度化と実装を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外からの共同研究者招聘の旅費を翌年に行うこととしたため23年度は残額が生じた。このほか国内での打ち合わせのための旅費、学会参加発表費、論文発表費、消耗品を計上する予定になっている。
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Research Products
(2 results)