2014 Fiscal Year Annual Research Report
衛星直接観測と地磁気逆計算法によるオーロラ電流系の解明
Project/Area Number |
23540524
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
家田 章正 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (70362209)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交流(米国) |
Outline of Annual Research Achievements |
地球の極域電離圏(高度100km)夜側では、数時間に一度、オーロラが爆発的に増光する。このオーロラ爆発は、より高々度の磁気圏尾部に蓄積された電流エネルギーが、電離圏にショートする現象であると考えられる。本研究計画では、このオーロラ爆発を、地磁気逆計算法により解明する。 本年度は、地磁気逆計算法に必要な、電離層電気伝導度の研究を完成させ、研究成果をJournal of Geophysical Research誌において発表した。特に、地球の昼間電離圏における、高度積分した電気伝導度の、太陽天頂角(SZA)依存性を調べた。その結果、ペダーセン伝導度に対するホール伝導度の、比について近似式を理論的に得た。 電気伝導度は電子密度に依存している。昼間の電離圏電子は、太陽の極端紫外線による、中性大気の電離を生成源としている。このような電子の密度は、特にE層ではChapman理論により近似されることが多い。しかし、過去の研究においては、伝導度のSZA依存性が、Chapman理論による最大電子密度とコンシステントなモデルや、矛盾するモデルの両方が提唱されている。 本研究では、ペダーセン伝導度は、Chapman理論を修正すれば、観測とコンシステントであることを見出した。そのような修正は、E層の topsideでは垂直方向に電子密度が一様であると近似すること、また、中性大気温度が高高度ほど高くなる効果を取り入れることである。SZAが大きくなるほど、つまり夜に近づくほど、伝導度は小さくなるが、この変化は、ペダーセン伝導度よりも、ホール伝導度の方が大きかった。これは、SZAが大きいほど、ホール層が薄くなるからであると理解される。この効果を、Chapman理論における最大電子生成高度により表現し、電気伝導度比の近似式を作成した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Approximate forms of daytime ionospheric conductance2014
Author(s)
Ieda, A., S. Oyama, H. Vanhamäki, R. Fujii, A. Nakamizo, O. Amm, T. Hori, M. Takeda, G. Ueno, A. Yoshikawa, R. J. Redmon, W. F. Denig, Y. Kamide, and N. Nishitani
-
Journal Title
Journal of Geophysical Research
Volume: 119
Pages: 10,397-10,415
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
[Presentation] 昼間電離圏の電気伝導度比2014
Author(s)
家田章正, 大山伸一郎, 藤井良一, 中溝葵, 堀智昭, 吉川顕正, 西谷望
Organizer
日本地球惑星科学連合2014年大会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
2014-04-29 – 2014-04-29
-