2011 Fiscal Year Research-status Report
現世および新生代海洋におけるマンガンクラストの形成環境
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23540535
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
臼井 朗 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (20356570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 嘉夫 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10304396)
伊藤 孝 茨城大学, 教育学部, 教授 (10272098)
鈴木 勝彦 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (70251329)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流(米国) / 国際情報交流(米国,韓国) |
Research Abstract |
初年度において,分担者・連携研究者全員が集合してキックオフ研究会を高知大学で開催した.研究分担,分析体制,今後の調査航海実施体制,来年度向けの申請,他機関との調整などを行った. 既存の試料の予備解析を行って,以下の予備的成果を得た.1)年代測定法の検証を行い,有効性の評価が可能となった.特に安定同位体,放射性同位体による精密年代測定に進展が見られる.2)資源形成の空間分布に傾向が認められる兆候が見つかった.現場での不撹乱試料の採取は環境要因との対比において有効であり,水深規制の傾向が認められている.3)時間分布は必ずしも一定ではなく,地域特性があるらしい.海洋堆積物コアになぞらえた長レンジ微細層序学への展開が期待される結果が得られた. その他,次のような実務的な進展があった.4)23年度には,小型船舶(東京大学)による海底試料採取1回,探査ロボット(海洋研究開発機構船舶)による現地調査2回,の航海を課題関係者が首席研究員を担当した.成果の一部はJAMSTECのHPに航海報告として公開されている.5)次年度24年度の海洋研究開発機構船舶をもちいた航海申請を行い,3件が採択された.6)研究集会や講演会などにおいて,海外で3件以上,国内で6件以上の研究発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にあたり,申請した計画に基づいて,研究分担やそれぞれの課題について具体的な研究目標と活動計画を作成した.大きくは1)現世海洋の諸パラメータと資源形成の多様性との関連性の把握,2)資源形成環境を時代スケールで遡ることによって古海洋環境を復元する可能性の検証,の2つのグループ体制を整備した.初年度から,既存の3航海に相乗りすることが可能となり,現場データ,採取試料をこの研究課題において扱うという合意がなりたっている.来年度(24年度)に向けて申請した研究航海3航海については,日数の減査定は受けたものの,3航海とも採択され,現場データおよび試料の入手と優先的な利用が可能な状況になっている. 研究面でも,口頭発表9件が報告され予備実験の一部が成功している.分析中の試料についても報告が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定した研究分担者の中で小項目の担当者を決める.,上記のグループ1)に関わる研究は主に高橋が担当し,グループ2)は臼井,鈴木,伊藤が担当する.この体制は,今年度の分担者会議によって了解されている.さらに各グループの中では,研究項目が細分化される.1)では,異なる海域における表面沈殿物の水深方向変動の有無の特徴付けが重要である.航海毎に独自のデータ・サンプルセットを分析・解析する.2)では,微細層序学的検討が主の目的であり,議論の基礎となるべき精密年代測定が必要不可欠な課題である.その上で,時系列の組成・構造変動の解釈を行う予定である.同時に微小部化学分析,微生物による酸化反応あるいは金属濃集反応への関与について,他機関研究者と共同研究を実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は3航海(外航も含む)が予定されているため,そのための調査経費,旅費が必要であり,室内分析研究では試料の処理,地質・鉱物分野と地球化学分野における分析・測定のための消耗品・雇用費が必要となる. また,今年度及び次年度の航海調査で得た試料の化学・鉱物分析,物性測定などのため,また室内実験用の試料整形,実験補助のための補佐員雇用経費にも支出する予定である. さらに,内外での研究発表の機会が増加するので,旅費が必要となる.なお,第2回目となるマンガンクラスト研究会を高知大学にて開催する予定である.
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Ultrafine-scale magnetostratigraphy of marine ferromanganese crust.2011
Author(s)
Oda, H., Usui, A., Miyagi, I., Joshima, M., Weiss, B.P., Shantz, C., Fong, L.E., and Baudenbacher, F.J.
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Journal Title
Geology
Volume: 39 (3)
Pages: 227-230
Peer Reviewed
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