2013 Fiscal Year Annual Research Report
トリアゾリウムカチオンを架橋部にもつ水易溶性人工核酸の創製
Project/Area Number |
23550041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤野 智子 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70463768)
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Keywords | オリゴヌクレオチド / リボヌクレオシド / 環状二量化核酸 / 配座解析 |
Research Abstract |
[具体的内容] 本研究は,水易溶性人工核酸として,トリアゾリウムカチオンを連結部にもつ人工核酸TLDNA+を開発し,その機能を探索することを目的とした.昨年度までに,TLDNA+の簡便・量的供給可能な合成法を確立するとともに錯形成能を評価できたことから,本最終年度は,さらなる展開として,新たにRNA型類縁体および天然型核酸とのキメラ型オリゴヌクレオチドへの展開を視野にいれた検討を行った.なかでもRNA型類縁体合成における鍵中間体であるリボヌクレオシド類縁体を活用することで,細菌が産生する環状二量化核酸(c-di-GMP, c-di-AMP)のトリアゾール連結型類縁体(c-di-GMPTL, c-di-AMPTL)の簡便合成法を開発した.柔軟な骨格ゆえに多様な配座をとる天然型環状二量化核酸とは異なり,c-di-GMPTL, c-di-AMPTLは剛直なシクロファン構造をその内部骨格をもつことから,その配座を単一の配座に固定化することができた. [意義・重要性] TLDNA+の構造を多様化するなかで,新たな標的化合物として細菌産生の多機能性環状二量化核酸に着目し,トリアゾール連結型環状二量化核酸類縁体を開発することができた.量的供給可能な合成経路による簡便な合成法を確立できたことに加えて,トリアゾール骨格ゆえの剛直な骨格を持ち,その配座を制限できることを,理論計算により明らかにできた.今後,この配座固定化法を活用し,環状二量化核酸の多様な機能発現のなかから機能を特定化するという独自の機能開発へと展開できることが期待される.
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