2011 Fiscal Year Research-status Report
サブナノ空間・親和性制御ポリマーの設計および次世代型高性能気体分離膜の創出
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23550142
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
増田 俊夫 福井工業大学, 工学部, 教授 (60026276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 壽一 福井大学, 工学研究科, 准教授 (60432150)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 反応・分離工学 / ナノ材料 / 環境材料 |
Research Abstract |
1)ポリ(1-トリメチルシリルフェニル-2-フェニルアセチレン) [PTMSDPA]の気体透過性の経時変化の検討 PTMSDPAは、非常に高い気体透過性を示す。しかし、ポリアセチレン類の気体透過性は時間とともに透過性が低下するという問題点が知られている。そこで、本研究では、ミクロボイドを有し高い気体透過性を示す置換ポリアセチレンの代表の1つであるPTMSDPAの酸素および窒素の透過性の6週間にわたる経時変化について、1つのサンプルは空気中で、いま1つのサンプルはポリエチレンの袋の中で保存して、検討した。酸素透過係数の初期値は2,200 barrerであり、文献値に近い値を示した。これらの膜の酸素透過係数の経時変化は保存方法によらず、おおよそ10~20%の減少であり、それほど大きくないことが分かった。酸素と窒素の分離係数は、常に約2であり、経時変化を示さなかった。2)カテコール部位を有する新規ポリ(ジフェニルアセチレン)の合成 かさ高いシリル保護基を2つ有するジフェニルアセチレンモノマーは立体障害のため重合しない。それに対して、1つのトリメチルシリル基と2つのメトキシ基を有するモノマーはTa触媒により良好な収率で重合し、高分子量ポリマーが得られた。生成ポリマー膜に対して酸触媒により脱保護反応を行い、目的とするカテコールユニットを有する新規ポリマーの合成に成功した。3)極性基を有するポリジフェニルアセチレンに関する研究 特定の気体に対して親和性を有するシラノール基やエステル基などの極性基を有するポリ(ジフェニルアセチレン)の合成と気体透過性について検討した。生成高分子膜は二酸化炭素に対して高い透過選択性を示すことを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)これまでに開発している高気体透過性ポリマーであるPTMSDPAはミクロボイドの存在により高い気体透過性を示すことが明らかになっている。その場合、気体透過性が時間とともに低下する可能性がある。この点を明らかにするために、酸素および窒素の透過性の経時変化を長期間にわたって検討し、このポリマーでは大きな気体透過性の低下はおこらないことを明らかにした。2)特定の気体、特に二酸化炭素に対して親和性を示す極性基、特に水酸基を導入した新規高気体透過性ポリマーの合成を達成するとともに、生成ポリマーの気体透過性および透過選択性について多くの知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)ポリ(1-トリメチルシリル-1-プロピン)[PTMSP]は、多量のミクロボイドを有し、あらゆるポリマーの中で最も大きな気体透過性を示すポリマーのひとつとして知られている。しかしPTMSPの気体透過性の経時変化に関する従来のデータは不確かなものしか存在しない。従って、いくつかの条件下でポリマーサンプルを保存しながら正確なデータを集める。2)平成23年度に新たに合成したカテコールユニットを有するポリ(ジフェニルアセチレン)膜の気体透過性を明らかにし、極性基の存在が特定の気体に対して親和性と透過選択性にどのように影響するかを解明する。さらに、二酸化炭素の選択透過性を向上させることを目的として、金属酸化物などの無機微粒子とのコンポジット化を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
気体透過性測定装置および種々の測定装置は現有設備を使用するので、次年度の研究費はガラス器具や試薬などの消耗品の購入に主に充当する。また、情報の収集や成果の発表のために学会に参加する予定であるが、その費用としてもある程度使用する予定である。
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Research Products
(8 results)