2011 Fiscal Year Research-status Report
ブルーサイト-糖アルコールハイブリッド組織体の研究
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23550235
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田村 堅志 独立行政法人物質・材料研究機構, 環境再生材料ユニット, 主幹研究員 (80370310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 裕久 独立行政法人物質・材料研究機構, 環境再生材料ユニット, グループリーダー (00343848)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
水熱反応法及び溶融混合法の二つの手法を用いてブルーサイトと糖アルコールのハイブリッド化を検討した。糖アルコールとしてはキシリトール、D-ソルビトールを使用した。ブルーサイト/糖アルコールハイブリッドは、調製前後の試料についてX線回折(XRD)装置により底面間隔の変化を調べた。同時にフーリエ変換赤外吸収(FTIR)測定装置およびX線光電子分光(XPS)装置を使用して各試料のスペクトル変化を調べた。 実験の結果、溶融混合法のみがブルーサイト/糖アルコールハイブリッド(層間化合物)を形成することが明らかになった。XRDパターンは、溶融反応後ブルーサイトの底面間隔が増大していることを示した。さらにFIIRスペクトルにおいては、3690 cm-1近傍のOH伸縮振動が消失し、2900 cm-1、2840 cm-1のCH伸縮振動が現れることから、糖アルコール分子のインターカレーションが示唆された。ハイブリッドのXPSのC1sスペクトルは、C-C結合(284.5 eV)、脱水反応によるC-O 結合(285 eV) そしてC=O結合(288 eV)の3成分の存在を示した。表面の化学組成分析の結果と併せて考察すると糖アルコールはブルーサイト表面に脱水反応を通じてMg-O-C結合を形成し複合化しているものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブルーサイトと糖アルコール(キシリトール、D-ソルビトール)系の検討で、Journal of the Colloid and Interface Science誌に投稿、受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
1)他の層状水酸化鉱物についても同様の検討を進め、層状水酸化鉱物/糖アルコールハイブリッド反応について俯瞰的に調べる。2)高分子材料とのコンポジット化の検討をはじめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者を追加したため、各分担者の研究費配分を若干変更し、主に消耗品、薬品、旅費等を中心に使用する予定である。
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