2011 Fiscal Year Research-status Report
電子線トモグラフィー用ビデオレートフォーカスシステムの開発
Project/Area Number |
23560024
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西 竜治 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 准教授 (40243183)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清和 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 特任准教授 (50263223)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 超高圧電子顕微鏡 / 電子線トモグラフィー / オートフォーカス / 鮮鋭度 / 自動撮影 |
Research Abstract |
超高圧電子顕微鏡を用いた電子線トモグラフィーは医学・生物学系の立体観察に用いられている。その際、試料の傾斜角度を変えた像を数十枚から百数十枚撮影する必要があり、撮影の自動化が求められている。撮影の際には観察視野とフォーカスがずれる可能性があり逐次補正して撮影する必要がある。これに対しオートフォーカスの技術開発を進めてきた。具体的には高解像度のCCDカメラの撮影像に対し、フォーカスを少しずつずらした画像を撮影し、そのフォーカスの合い具合を鮮鋭度という評価値で与える手法を確立した。鮮鋭度は撮影像の中央付近の4方向の微分画像を計算し、その標準偏差を数値として求め、4方向の自乗和の平方根として与えた。ノイズ軽減処理を入れることで人の見た目と鮮鋭度の評価値の大小が対応することを確認し、5点のフォーカスをずらした画像を元に、最大の鮮鋭度を与えるフォーカス量を算出する新しいアルゴリズムを導入した。超高圧電子顕微鏡でフォーカスを変えるには対物レンズ電流をある決められた微小ステップずつ変化させるが、実際には像がある程度ぼける範囲を選んで5つの対物レンズ電流で撮影する。それぞれの撮影像に対し鮮鋭度を計算し、擬似正規分布関数で近似する。超高圧電子顕微鏡の場合のフォーカスに対するボケ関数は正規分布を変形した擬似正規分布関数が適当であることを見いだした。この近似から最適なフォーカスを与える対物レンズ電流値を算出することができる。これを実際の生物試料に対して行い、適切に動作することを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
鮮鋭度という評価値によりオートフォーカスが行えることが実証でき、ある程度のノイズの軽減処理を入れ、鮮鋭度評価関数はほぼ確立した。ハイビジョンカメラ像のビデオテープからの取り込みによる手法から直接コンピュータにハイビジョンカメラ像を取り込む準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ハイビジョンビデオ像を直接コンピュータに取り込み、鮮鋭度評価値の計算を行えるようにする。併せて、最適な対物レンズ電流値を直接超高圧電子顕微鏡の制御系にフィードバックするプログラムを開発する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため、23年度の研究費に未使用学が生じたが、それはハイビジョンモニタの代わりに、ハイビジョンカメラ像を直接コンピュータに取り込むシステムの構築を前倒しに進め、その納品が遅れたためである。研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初通りの計画を進めていく。
|
Research Products
(1 results)