2013 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビーム誘起方位選択エピタキシャル成長による薄膜の複合面方位構造形成
Project/Area Number |
23560028
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
井上 知泰 いわき明星大学, 科学技術学部, 教授 (60193596)
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Keywords | 結晶成長 / 超薄膜 / 表面・界面物性 / 方位選択エピタキシ / 電子ビーム照射 |
Research Abstract |
シリコン(100)基板上の二酸化セリウム(CeO2)薄膜のエピタキシャル成長において、基板表面電位分布制御により成長する結晶面方位が自由に選択可能となる方位選択エピタキシの研究を進めた。平成20~22年度の科学研究費 基盤研究(c)で実証した、電子ビームを照射して局所的に表面電位を変化させる方法によるSi(100)基板上にCeO2(100)とCeO2(110)領域の複合面方位構造の形成技術を更に高度化し、応用性を高める研究を行った。成長中に電子ビーム照射した領域にはCeO2(100)が成長し、非照射領域にはCeO2(110)が成長するが、それらの間に両方の結晶方位成分を含んだ多結晶の遷移領域が発生することが分かり、その領域幅が大きいため応用上の大きな問題であることが分った。本研究ではこの遷移領域幅を縮小するためのパラメーター解析とその結果を踏まえて両者の領域間を完全分離するための新しい方法を提案し、その基礎検討を行った。 主な研究結果は以下の通りである。 1) 電子ビームの細径化を図り、表面電位分布の拡がりを縮小する方法を検討した。電子銃内部のアパーチュア径をこれ迄の3 mmから1 mmに下げて電子ビーム径を縮小してエピタキシャル成長実験を行った。 2)下地Si基板の比抵抗を広い範囲で変化させて遷移領域幅の比抵抗依存性を詳細に解析した。その結果、その幅がSi基板の比抵抗の対数に比例して縮小することが分かった。0.01Ωcmの低抵抗基板を用いると遷移領域幅をビーム径程度まで縮小できることが分った。 3) 低抵抗基板の利用はデバイス応用に鑑みて大きな制約となることが危惧されるので、抜本的に遷移領域幅を縮小する新しい方法として、リソグラフィーによって絶縁膜上Si(SOI)基板のSi層を島状構造とし、Si島同士を電気的に絶縁して、表面電位変調領域の拡がりを完全に阻止する方法を検討した。
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Research Products
(5 results)